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06月03日-02号

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  1. 奈良市議会 2022-06-03
    06月03日-02号


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    最終取得日: 2023-05-08
    令和 4年  6月 定例会令和4年奈良市議会6月定例会会議録(第2号)-----------------------------------   令和4年6月3日(金曜日)午前10時0分開議----------------------------------- 議事日程  日程第1 議案第49号 市長専決処分の報告及び承認を求めることについて       議案第50号 奈良市の議会の議員及び長の選挙における選挙運動の公費負担に関する条例の一部改正について       議案第51号 奈良市手数料条例の一部改正について       議案第52号 奈良市税条例等の一部改正について       議案第53号 奈良市個人市民税の控除対象となる寄附金を受け入れる特定非営利活動法人等を定める条例の一部改正について       議案第54号 奈良市特定都市河川流域における浸水被害の防止に関する条例の制定について       議案第55号 奈良市営住宅条例の一部改正について       議案第56号 奈良市消防団員等公務災害補償条例の一部改正について       議案第57号 奈良市学校給食センター条例の一部改正について       議案第58号 財産の取得について       議案第60号 令和4年度奈良市一般会計補正予算(第2号)----------------------------------- 本日の会議に付した事件  第1、日程に同じ----------------------------------- 出席議員(38名)  1番 塚本 勝君      2番 榎本博一君  3番 岡田浩徳君      4番 山岡稔季君  6番 山出哲史君      7番 岡本誠至君  8番 桝井隆志君      9番 白川健太郎君  10番 道端孝治君      11番 太田晃司君  12番 佐野和則君      13番 柳田昌孝君  14番 宮池 明君      15番 早田哲朗君  16番 樋口清二郎君     17番 鍵田美智子君  18番 下村千恵君      19番 阪本美知子君  20番 山口裕司君      21番 山本直子君  22番 八尾俊宏君      23番 山本憲宥君  24番 横井雄一君      25番 大西淳文君  26番 藤田幸代君      27番 田畑日佐恵君  28番 九里雄二君      29番 松石聖一君  30番 内藤智司君      31番 酒井孝江君  32番 井上昌弘君      33番 北村拓哉君  34番 森田一成君      35番 土田敏朗君  36番 北 良晃君      37番 中西吉日出君  38番 伊藤 剛君      39番 森岡弘之君 欠席議員  なし 欠番  5番----------------------------------- 説明のため出席した者  市長       仲川元庸君   副市長      向井政彦君  副市長      西谷忠雄君   危機管理監    國友 昭君  総合政策部長   真銅正宣君   総務部長     吉村啓信君  市民部長     谷田健次君   福祉部長     小澤美砂君  子ども未来部長  鈴木千恵美君  健康医療部長   増田達男君  観光経済部長   仲西範嘉君   都市整備部長   梅田勝弘君  建設部長     木村康貴君   企業局長     池田 修君  消防局長     東川洋志君   教育長      北谷雅人君  教育部長     竹平理恵君   監査委員     東口喜代一君  総合政策課長   玉置 卓君   財政課長     松本賀史君----------------------------------- 事務局職員出席者  事務局長     中井史栄    事務局次長    児林尚史  議会総務課長   井ノ上寿苗   議事調査課長   秋田良久  議事調査課長補佐 杉野真弥    議事係長     中山辰郎  調査係長     大村一平-----------------------------------   午前10時0分 開議 ○議長(土田敏朗君) 休会前に引き続き、会議を開きます。----------------------------------- △日程第1 議案第49号 市長専決処分の報告及び承認を求めることについて 外10件(質疑並びに一般質問) ○議長(土田敏朗君) 直ちに日程に入ります。 日程第1、議案第49号 市長専決処分の報告及び承認を求めることについてより議案第58号までの10議案及び議案第60号 令和4年度奈良市一般会計補正予算、以上11議案を一括して議題といたします。 本案につきましては、既に去る5月31日の本会議において、市長より説明を受けておりますので、これより質疑並びに一般質問を行います。 通告がございますので、発言を許します。 まず、代表質問を行います。 10番道端君。   (10番 道端孝治君 登壇) ◆10番(道端孝治君) おはようございます。自民党奈良市議会・結の会の道端でございます。 早速ですが、通告していますとおり、会派を代表して、市長と西谷副市長、教育長に一括質問一括答弁にてお聞きさせていただきます。よろしくお願いします。 まずは、新クリーンセンターについて数点お聞きします。 1点目として、市長は広域化を前提とした候補地として七条地区を挙げられ、議会等においてもそのように答弁を続けておられます。広域化を前提としてなら、その是非は別としても違和感は覚えないのですが、しかしながら、近頃では単独でも七条地区でという答弁、また、委員会などでは担当課長が、単独でも七条地区に妥当性がある旨の答弁をされております。 しかし、七条地区はクリーンセンター建設計画策定委員会で早々に除外された地区であり、単独でも七条地区でという答弁は違和感しか覚えません。市長は何をもってそのような答弁をされているのかお答えください。 2点目として、そもそも、これまでも候補地はクリーンセンター建設計画策定委員会が選定すると決められており、広域化という前提が外れ、単独で行う場合の候補地が、クリーンセンター建設計画策定委員会において選定されていない七条地区では筋が通らないのではないのか。単独での事業となる場合の候補地選定は、クリーンセンター建設計画策定委員会に諮って審議していくべきだと考えるが、いかがお考えですか、お答えください。 3点目として、市長は、広域化については任期中に道筋をつけると前任期中に答弁されていました。しかし、現時点において、大和郡山市は広域化に参加せず、単独で事業を進めていかれ、一方の斑鳩町も、すぐに広域化に加わることの意思表示をすることは難しいと聞いております。 そこでお聞きしますが、現在の大和郡山市、そして斑鳩町との広域化についての進捗状況をお聞かせください。 4点目として、令和4年度当初予算のクリーンセンター建設事業については、広域化を推進している、または広域化を要件とした国や県の交付金や補助金などを財源としております。逆に言えば、交付決定されなければ財源として存在しないこととなります。 交付申請の要件と交付申請の期日等も含めて、現在の状況はどうなっておりますか、お聞かせください。 次に、県域水道一体化について数点お聞きします。 本年1月21日の会議を途中退席して以降、2月17日の第2回奈良県広域水道企業団設立準備協議会も欠席し、本市は一体化の協議には参加しておりません。しかしながら、欠席した第2回の協議会では、一体化の基本計画の骨子案が出され、また、今後のスケジュール案として、11月の第3回協議会では基本計画案と基本協定案が提案されるとあります。 一方、本市においては、5月20日に奈良市県域水道一体化取組事業懇談会を開催し、今後数回の会議の後、8月末に意見の取りまとめを受け、市としての態度を決めたいとのことでありましたが、仮に本市が企業団に参加する意向を示したとしても、11月に提示される奈良県広域水道企業団の基本計画案と基本協定案が本市として承諾できるものでなければ、意味のないものとなると思います。 そこでお聞きします。 1点目として、現時点における県域水道一体化についての市のお考えをお聞かせください。 2点目として、県のスケジュールでは、11月には基本計画案と基本協定案を提案するとされております。一方、本市は、奈良市県域水道一体化取組事業懇談会での意見がまとまる8月以降に判断するとされ、基本計画案、協定案に本市の意向を盛り込むには時間的に無理があるように思うが、市長のお考えをお聞かせください。 また、そうであるなら本市として、県に対して今後の県のスケジュールの延長を求めていく考えがあるのかも併せてお聞かせください。 3点目として、5月27日に県域水道一体化についての臨時の県市長会が開催されました。非公開でありましたが、新聞報道によりますと、会議終了後の取材に対して、「今日の会議ではこれまでの議論を金科玉条とするのではなく、限られた時間で濃密な議論をしていこうということで一致できたのでは」とありました。 このことは、本市としても一体化について柔軟に対応する余地があるとも受け取れますが、市長のお考えをお聞かせください。 4点目として、奈良市民の利益が損なわれることがないよう、他の自治体と対応していくことは理解できるんですが、一方で、県民全体の利益についても県都である奈良市が考える必要があると思うのですが、その点についての市長の考えもお聞かせください。 次に、今定例会で提案されています補正予算の財源であります地方創生臨時交付金の活用についてお聞きします。 1点目として、令和3年度においての地方創生臨時交付金関係の執行状況についてお聞かせください。また、当初予算に対する執行残は発生しなかったかもお聞かせください。 2点目として、本定例会で提案されていますコロナ対応の地方創生臨時交付金の補正予算はどのような思いで編成されたのか、客観的に子育て世代に重点を置いたものと見受けられますが、お答えください。 3点目として、今後も国のほうから交付金の追加などが想定されています。追加されたコロナ対応の交付金は今後どのように使おうと考えているのか、その使途など、展望についてもお聞かせください。 次に、新型コロナ感染症対策についてお聞きします。 1点目として、これまで新型コロナ感染症対策によって市民生活、学校・園活動、経済活動などに対して様々な規制が行われてきましたが、先日、5月25日の第44回新型コロナウイルス対策本部会議においてリバウンド注意報を解除し、基本的な感染症対策は残しつつ、規制緩和を行いました。 コロナ感染症の当初は、とにかくやれることは全てやるような感覚で様々な規制をかけてこられたと思いますが、これまで行ってきた様々な規制に対する効果についての検証はどうなっているのかお聞かせください。 また、第6波まで経験してきましたが、今後しっかりとしたエビデンスに基づく対策や規制を行うべきだと考えるが、第7波に向けての市の対策についての基本的なスタンス、これを、市長の考えをお聞かせください。 2点目として、奈良県は第5波、第6波の折、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置を発出しませんでした。しかし、奈良市長はこれまでも緊急事態宣言の発令要請などを奈良県知事に求めてきたが、聞き入れられず、開かない扉に体当たりしてもらちが明かないとおっしゃっておりました。 コロナで不安になっている市民、県民にとって、知事と市長のこのようなやり取りは、決してプラスにはならないと思います。今後予想される第7波が来る前に、市と県とで第6波までを踏まえて、今後の様々な対策や規制について協調していくべきだと考えますが、県との協議についてお答えください。 続きまして、今年度9月末で任期を終えられる西谷副市長にお聞きします。 平成30年10月に就任された当時の新聞記事を見ますと、市の財政構造は硬直し切っている、考え直すべき事業は削減し、市の財政が維持できるよう構造改革に取り組みたいと抱負を語ったとありました。 財政構造を変えることに主眼を置いて、この4年間、副市長として働いてこられたと思いますが、自身が取り組んでこられた行財政改革の総括を述べていただきたいと思います。よろしくお願いします。 次に、教育長に数点お聞きします。 まず、学校給食についてであります。 内閣府より、4月1日付事務連絡「令和4年度における新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の取扱について」が、各都道府県を通じて市町村へ周知されました。 それを受け、文部科学省が4月5日に、新型コロナウイルス感染症の影響の長期化により、物価高騰による学校給食の実施への影響や、やむを得ず学校給食費の値上げを検討せざるを得ない状況も考えられる中、昨今の経済状況を踏まえ、臨時交付金の活用が可能な事業として、物価高騰に伴う学校給食等に関する負担軽減を行う事業が示されました。 これにより、食材費、物流費等が高騰する中にあっても、地方公共団体の判断により、臨時交付金を活用して高騰する食材費等の増額分の負担を支援し、保護者負担を増やすことなく学校給食の円滑な実施が可能となりました。 本市におきましても、物価高騰による給食費への影響については議会等で幾度も取り上げてきましたが、全国的にも給食費についての問題が広がっている今、急激な物価上昇の現状を踏まえて、本市での対応を教育長にお聞きします。 1点目として、物価高騰による本市の学校給食への影響について、今後の見通しも含めてお答えください。 2点目として、限られた予算内で栄養バランスを維持するために、安価な食材を使ったメニューを増やすなどの工夫をされている自治体があります。本市として、どのような対応をお考えかお聞かせください。 3点目として、今回の補正案では、冒頭に申し上げました新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用した負担軽減策が盛り込まれていませんが、この交付金の活用に対する考えをお聞かせください。 4点目として、文科省の交付金事務連絡の中には、「食材の調達は、学校給食を実施する学校設置者の判断ですが、食育の推進、地場産物を活用した安全・安心の学校給食の推進の観点から、これまでもお願いしているところですが、地場産物や国産物等を使用することも積極的にご検討ください。」とあります。 国は、改めて地産地消の推進をお願いされています。本市として、学校給食に対してどのように検討されているのかお答えください。 最後に、児童・生徒のマスク着用による心理的な影響についてお聞きします。 最近、顔パンツという言葉をよく耳にします。マスクを外して素顔をさらすことで、ふだん人に見せない顔の下半分を見られてしまうことが恥ずかしく思うことを表現した言葉であるそうです。マスクで顔の半分を隠すことに慣れ、逆にマスクなしで素顔を見せることに抵抗を感じる人が若い世代を中心に増えていると聞きます。 3月の定例会で私は、一般質問において卒業式でのマスク着用の緩和についてお聞きし、一定の条件下ではマスクを外すことができるとのお答えをいただきました。その後の地元の小・中学校の卒業式では、小学生のほとんどの児童がマスクを外しましたが、中学生はほとんど外さなかったと聞きました。保護者が「外したら」と言っても、恥ずかしいから外さなかったようです。 コロナ禍以前よりマスク依存症という言葉もありましたが、感染予防のためではなく、表情を読まれたくない、着けているほうが気が楽であると思う児童・生徒に対する市教委の考えをお聞かせください。 以上で1問目とします。 ○議長(土田敏朗君) 市長。   (市長 仲川元庸君 登壇) ◎市長(仲川元庸君) おはようございます。 ただいまの道端議員からの御質問にお答えを申し上げます。 まず初めに、クリーンセンターについての御質問であります。 広域化を前提とした現在の建設候補地について、何をもってそのように判断をしているのかという御質問でございました。 現在の建設候補地につきましては、人口重心、土地の現況、幹線道路の接道状況などを総合的に勘案して選定をいたしております。建設候補地の東側には、JR新駅や仮称奈良インターチェンジを含む京奈和自動車道が延伸される予定であり、未来に向かって新たなまちづくりの可能性がある地域でもございます。 さらには、西北側にはいにしえの薬師寺、唐招提寺などの世界遺産エリアがあり、建設候補地の東西を含めて、近未来と悠久の奈良の両方を同時に体現できる、非常にポテンシャルのある地域と考えております。 次に、広域化という前提が外れた場合に、単独事業となる場合の建設候補地についてどう考えているかということでございます。 広域化におけます建設候補地については、5市町の合同勉強会で広域化の条件として、土地の現況、また幹線道路の接道状況などがありまして、それらを総合的に勘案し、七条地区を選定したものであり、単独の場合においても、先ほど申し上げましたように、この地域を候補地とすることには十分妥当性があるものと考えております。 昨年10月に開催いたしましたクリーンセンター建設計画策定委員会におきましても、この七条地区を候補地とすることにつきましては、委員の方々からも大きな異論はなく、また、この策定委員会での候補地選定を主張されることもなく、少しでも早く新クリーンセンターの実現をするということが目標であり、それを希望されている意見が大半であったと認識をいたしております。 今後も、策定委員会におきましては進捗状況を随時報告するとともに、アドバイスをいただきながら丁寧に事業を進めていきたいと考えております。 次に、大和郡山市や斑鳩町との進捗状況についてということでありますが、大和郡山市さんにつきましては、現時点におきまして単独で事業を進めていく方針を示されているということについては承知をいたしております。 また、大和郡山市さんの情勢に今後変更があり、何らかの連携可能性についてアプローチがございましたら、引き続き必要な協議や調整は行っていくべきものと考えております。 斑鳩町との進捗状況につきましては、直近では5月26日に合同勉強会実務者会合を実施いたしております。具体的なコストに関する事柄などを含めて調整を行っておりまして、広域化の枠組みについては順調に進んでいるものと考えております。 次に、国・県の交付金の取得状況についてということでございますが、まず、国の交付金といたしましては、1100万円の国の循環型社会形成推進交付金が既に内示をいただいております。また、県のごみ処理広域化推進補助金につきましては、補助金の交付対象が、複数市町村などが平成27年4月1日時点におけるごみ処理の処理範囲を拡大して新たな連携により実施するごみ処理施設の整備のために必要となる調査・計画等に係る事業とし、これについては、国の循環型社会形成推進交付金などの交付を受けるものとされておりますので、先ほど申し上げました国の交付金の内示を受けているということによりまして、県の補助金につきましても同様の要件を満たしているものと考えております。 また、国・県の交付金の申請の時期についてということでございますが、これにつきましては特段の期日はございませんが、スケジュール次第であると考えており、本市といたしましては当初の予定どおり事業を進めていき、令和5年の年初には県に交付申請をし、年度末までに県から交付決定を受けるという段取りを今のところ考えております。 続きまして、水道の広域化についての考え方でございます。 まず、今回検討されている、この企業団に参加をするか否かということにつきましては、やはり本市の市民にとって有益かどうかということが最大の判断基準となると考えております。引き続き、ニュートラルな立場で慎重に検討していきたいというふうに考えております。 また、企業団に参加をした場合におきましても、市民に対しまして安全で、また安心していただける水を届ける、また低廉な水を届けるということの責任は、引き続き本市が有するものであると考えております。 また、27市町村及び県の事業認可と水道料金を同時に統一する水道広域化という手法につきましては、全国的にも極めて画期的なものであると認識をいたしております。 一方で、企業団をいわゆる見切り発車で設立してしまうことで、結果として将来的に円滑な運営ができないということになりますれば、これはかえって市民に迷惑をかけるということも懸念されるわけでございます。また、当初の見込み以上にコストがかかり、結果として大きな市民負担が予想外に発生するということになれば、当然、本末転倒であると考えております。 そういった意味では、企業団の設立ということは、この問題の終着点ではなくて、あくまでも出発点であるという認識を持ち、設立するということ自体を目的とするのではなくて、やはり本市の市民にとって中長期的に最善の経営手法は何であるかという観点で、しっかりと熟議を重ねていくということが重要であると認識をいたしております。 次に、県のスケジュールに少し無理があるのではないかという御指摘でございます。 確かに、大変限られた時間の中で議論しなければならないという状況につきましては認識をいたしております。 一方で、県に対してスケジュールの延長を求めていく考えはあるのかという御質問でございます。 この点につきましては、先日の5月27日に開催をいたしました奈良県市長会の臨時の勉強会におきましても、同様の質問、また意見が出ておりました。 その中では、特に今回、広域化の最大のメリットの一つでもございます国からの更新投資に係る交付金、これを頂くということが大きなポイントでございますけれども、この交付金を最大限活用するということを考えますと、やはり逆算をいたしますと、令和7年度の事業開始というスケジュールが大変重要であろうという意見が多かったように記憶をいたしております。 そういった意味では、ゴールポストを動かすということではなくて、まずはこの令和7年という当初のスケジュールをしっかりと認識した上で逆算をして、限られた時間の中で答えを出していく必要があるという考えを、おおむね参加をされていた方々も合意されていたというふうに認識をいたしております。 次に、市長会後の取材において柔軟に対応するという表現をしたということについてでございますが、これについては、当初と比べまして、県の事務局においても、これまでよりもより柔軟に御検討いただくという姿勢を示していただいたということを評価させていただく趣旨で申し上げたところではございます。 一方で、私どもも含めまして、参加を検討している全ての関係市町村にとりましても、同様に柔軟な姿勢で議論を今後も深めていくということが求められているというふうに認識をいたしております。双方にとりまして、今、柔軟に対応するということが重要な状況にあると認識をいたしております。 続きまして、奈良市民の利益だけではなくて、県民全体の利益についてもやはり奈良市は考える立場にあるのではないかという御提言でございます。 ここにつきましては、奈良市長の立場といたしましては、やはり奈良市民の利益を最優先にするということは、第一義としては譲れない点であろうかというふうに思っております。 一方、御指摘のように、県内の中核市ということで、やはり県全体に対しても一定の責任を果たし、貢献をするということも併せて重要な視点であると認識をいたしております。 続きまして、コロナ対策についての御質問でございます。 地方創生臨時交付金について、執行状況でございますが、まず、令和3年度分のこの新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金につきましては、42億2694万6000円が交付限度額として示されておりまして、その内訳といたしましては、いわゆる通常分が約34億円、事業者支援分が約2億5000万円、そして、営業時間短縮の要請に伴う協力金を支払う場合に配分される協力要請推進枠が約5億8000万円となってございます。 このうち約13億6000万円につきましては、国において令和4年度側に繰越しをされておりますので、差引きいたしますと28億7008万円が令和3年度分として活用する限度額になるということでございます。 この執行状況でございますが、現在はまだ決算を締めるに向かいまして精査中ということでございますけれども、現時点では、協力要請推進枠の実績に応じた精算分約300万円を除いては、交付限度額を余すことなく活用ができる見込みであるという報告を受けております。 次に、コロナ関連の今回の補正予算に対する考え、思いについてということでございます。 今回、本定例会に関連予算を提案させていただくに際しましては、やはり感染状況は少し落ち着きを見せているものの、コロナ禍による様々な生活への影響、特に物価の高騰の影響を受けておられる市民生活を支援するということに注力をさせていただきました。 国からも、このたび原油価格・物価高騰等総合緊急対策という事業を受けまして約9億6000万円の臨時交付金の追加が示されており、そのうちの約7億2000万円分につきましては、原油価格や物価高騰等に直面する生活者、また事業者の支援をする事業に活用することとされております。 物価高騰の影響については、全ての市民の皆さんが受けておられるものでございますので、幅広く市民生活を支援できるよう、生活応援プレミアム付商品券事業の実施を発案したところでございます。 また、特に育ち盛りのお子さんがおられる御家庭については、食費等の負担がより重くなる、そういった物価高騰の影響を受けやすいということもございますので、重点的に支援をすべく、商品券の配付を行おうと考えた次第でございます。 次に、今後の交付金の追加、もしくは今後の交付金の使途についてでございますが、このたび国におきましてコロナ対策予備費で措置されましたのは8000億円でございますが、4月に各地方公共団体に配分をされたのはそのうち6000億円となっておりまして、差引き2000億円については現在、国において留保されているという状況でございます。 今後のコロナ禍の状況、また原油価格、また物価の変動状況、さらには地域経済の状況なども含めて総合的に追加の交付を検討されるであろうというふうに考えておりますが、配分の具体的な時期や内容については示されておりませんので、不明であるという状況ではございます。 また、コロナ対応に係る国庫補助事業等の地方負担分としても、今後一定の配分があるものと見込んでございます。 市としてそれらをどう活用するかということについては、今後の感染状況や地域の経済情勢、市民生活の状況などを総合的に鑑みながら、新たな需要が発生した際には、国の方向性もしっかりと認識をした上で機敏に対応していきたいというふうに考えております。 続きまして、コロナ対策について、当初取り組んできた様々な規制や感染対策についての効果検証、また、第7波に向けた考え方についてという御質問でございます。 第1号の感染事例が出てからもう既に3年目となっておりまして、第1波から直近の第6波までについては、感染の拡大と収束の波を繰り返してきたわけでございますが、この波を重ねるごとに規模は拡大しているという状況にございます。 本市におきましても、これまで新型コロナウイルス対策本部会議において常に協議を重ね、そして対処方針を示し、感染の拡大期には奈良市緊急警戒警報などを発出し、市民の皆様へ基本的な感染対策の徹底や、時には感染拡大地域への不要不急の外出自粛などもお願いをしてきたところでございます。また、市の公共施設の休止や利用制限、イベントの中止、学校・園における感染対策の実施や部活動の休止、飲食店の営業時間短縮依頼など、その時々の感染の波に応じた対策を行ってきたところでございます。 これらの様々な制約については、やはり市民生活、また社会経済活動に大きな御負担と御不便をおかけしてきたところであると認識をいたしております。一方で、当時の状況を振り返りますと、このような対策や、またお一人お一人が御協力をいただいたことによって、感染拡大の抑制に一定の効果があったものというふうにも考えております。 第6波につきましては、現在の状況がいわゆる収束という認識を持つにはまだ少し難しい判断でございますけれども、全国的にも感染者数が減少傾向であるということがここ数週間続いておりますので、国においても、感染対策と社会経済活動の両立の部分により重きを置いた方針に転換をしようとしております。市といたしましても、その方針を踏まえた上で、対応を変えていかなければならないというふうに考えております。 第7波に向けた基本的なスタンスということについては、特に第6波では感染力の強いオミクロン株の影響で、かつてないほど急激な感染拡大が生じました。急増する感染者へ速やかに支援を行う上では、変異株の特徴、また感染状況を的確に把握し、必要な対策を迅速に講じることの重要性を改めて認識いたしました。 この第7波に向けても、基本的な感染対策の継続と、そして発症もしくは重症化リスクの抑制効果が見込まれるワクチン接種の推進という感染防止対策を引き続き進めるとともに、今後の変異株にどのような特徴のものが現れるのかということについて様々な想定を行いまして、そのときそのときの感染状況をしっかりと緻密に分析し、迅速な対応が行えるよう備えていかなければならないと認識をいたしております。 また、県との協力体制についてということでありますが、これまでも常に県とは連携を図りながら医療提供体制の整備、また自宅療養者の支援、感染や重症化の予防の鍵となるワクチン接種の推進などの対策を進めてきております。 また、感染症対策だけではなくて、社会経済活動の維持、回復に取り組む上では、県との連携は重要なものであると認識をいたしておりますので、市民、県民の安心・安全な生活を確保するためには、引き続き県とも協力関係を構築して、対応を探っていかなければならないというふうに考えております。 あわせて、状況に応じては、市独自でも取組を行う必要もあろうかと考えております。 以上でございます。 ○議長(土田敏朗君) 西谷副市長。   (副市長 西谷忠雄君 登壇) ◎副市長(西谷忠雄君) 道端議員の御質問にお答えをいたします。 私自身が取り組んできた行財政改革の総括ということでの御質問でございます。 行財政改革に取り組むには、本市の財政がどのような状況であるかということを把握する必要がありますことから、就任当初から中核市比較による財政分析を行いました。 特に、経常収支比率や将来負担比率は、他市に比べて悪い状況であるということでございます。そのことから、経常収支比率については、市税の徴収強化に取り組んだところでございます。また、人件費割合が高いことから、職員給与の手当の見直しも図ったところでございます。 将来負担比率については、投資的経費とそれに係る市債発行を抑制いたしましたが、市民生活に必要な施設については整備を図ることとし、地方交付税措置のある市債を活用するように努めました。 企業会計や特別会計への繰出金については、それも精査をさせていただきました。 自主財源の確保として、ふるさと納税の拡大策と企業誘致については現在取り組んでいるところでございます。 そして、今どうしても取り組まなければならないということについては、公共施設の更新投資の問題であり、公共施設の再配置など最適化をどうするかというのが課題であります。 人口減少により、従来どおり既存の公共施設を維持していくことは大変難しいと考えております。平成26年度末に公共施設等総合管理計画を策定いたしましたが、公共施設の床面積の減少をするには至っておりません。公共施設に係る指定管理料や維持管理費を見直し、削減するためにも、公共施設の最適化は急務であるというふうに考えております。 昨年度当初から、公共施設の個別計画の策定を目指してきたところではございますが、今市民に利用されている施設を統廃合するとか、利用目的を変更するなどにつきましては簡単なことではなく、現時点では計画を作成し、公表する状況ではございません。 それに併せまして、新しい行財政改革案もお示しをすることができておりませんが、実施可能なものを計画として出して、お示しをしていきたいと考えております。 結果、目標となる財政指標の改善については、一定の成果はあったものの、他の中核市と比較しても依然下位に位置し、財政は硬直した状態でございまして、引き続き一層の取組が必要であると考えております。 また、先ほど議員がお述べのとおり、私の任期は今年の9月末で終わります。あと僅かではございますが、それまでの間、行財政改革に取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(土田敏朗君) 教育長。   (教育長 北谷雅人君 登壇) ◎教育長(北谷雅人君) 道端議員の御質問にお答えをいたします。 初めに、物価高騰による本市の学校給食への影響についてと今後の見通しについてでございますが、様々な食材価格が値上がりしている状況ではありますが、学校給食の主食の原料である小麦や米、副食に使用する調味料などは年間契約を行っておりますことから、今のところ価格に大きな影響は出ておりません。しかし、様々な材料におきまして、原油価格や物価高騰の影響が出ております。今後も、こうした食材価格の高騰が続くことが予想されます。 次に、限られた予算の中でメニューを増やすなどの工夫をしているところがあるが、本市ではどうなのかということについてでございますが、本市におきましても、例えば給食で使用するサンマをより安価なサバやイワシに変更するなど献立を工夫することで、品数や量、質を落とさず、おいしくて、子供たちにとって必要な栄養が取れるよう、給食の提供を行っているところでございます。 次に、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用することについての考えについてでございますが、議員お述べの交付金を一時的な財源として活用することも一案ではございますが、食材の高騰は今後も続くと考えられますことから、根本的なコストの見直しが必要だと考えております。その中では、極力保護者負担を増やすことがないよう配慮していきたいと考えております。 次に、通達の中にある、地場産物や国産物を使用することを積極的に検討するということについて、本市の取組はどうかということについてでございますが、学校給食における地産地消の推進につきましては、これまでも推進をしてきているところでございます。 奈良市内の小・中学校で使用する米につきましては、全て奈良市産米を使用しております。また毎月、古都ならの日として地場産物や郷土料理を積極的に取り入れており、6月は大和丸なすや奈良なめこを使用した献立や、吉野葛を使用した郷土料理である吉野葛煮を提供いたしております。 これからも、奈良県産、奈良市産の食材を活用した、おいしくて安全・安心な給食が提供できるよう努めてまいりたいと考えております。 最後に、児童・生徒へのマスク着用による心理的な影響についてのお尋ねでございます。 各学校におきましては、本市のリバウンド注意報の一旦終了に伴いまして、感染予防と熱中症予防を踏まえながら、体育や登下校、休み時間の外遊びなど、子供たちがマスクを外す場面が多くなってきております。 一方で、マスクを着用している期間が続いていることから、そうした場面においても、感染への不安や恥ずかしさなどといったことからマスクを外すことに抵抗感を感じる子供たちがいることも考えられ、コミュニケーション能力の育成などに影響が出ることを危惧しているところでございます。 このことから、現在実施しております全市立学校を対象とした生活調べアンケートを今後も継続して実施するとともに、教職員が子供の心身の状況を細かく見取るなどして、子供たち一人一人に寄り添いながら、適切な配慮や支援ができるよう心がけてまいりたいと考えております。 --------------------------------------------------------------------- 以上でございます。 ○議長(土田敏朗君) 道端君。 ◆10番(道端孝治君) 2問目は発言席より、クリーンセンターについて1点再質問させていただきます。 まず、建設予定地の選定方法についてです。 1問目の答弁で、七条地区は単独でも妥当性がある、策定委員会でもそのことに異論はなかったとありました。 行政が候補地を決め、委員会がそれを了承、追認するという形ですが、これは以前、策定委員会が中ノ川地区を候補地と決定した過程と真逆でございます。中ノ川地区の場合は、策定委員会が数々の議論の末に候補地として選定し、市がその選定に従って事業化しようとしました。それに比べて今回は行政が、単独でもこの地区でやろうと思います、策定委員会さん、異論はないですねといった具合でございます。 本市は、クリーンセンターの移転先は策定委員会、これによって候補地を選定すると決めたはずです。そもそも、それを目的として委員会が設立されたのではないのですか、答弁を求めます。 ○議長(土田敏朗君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 策定委員会と候補地選定の関係についてということで再質問をいただきました。 まず、この移転建設計画策定委員会の設置目的につきましては、調停条項第1条第1項におきまして「平成18年3月末日までに、新施設を建設するため」と規定をされておりまして、あくまで新クリーンセンターを建設することが策定委員会設置の目的であると認識をいたしております。 また、調停条項の第1条第2項におきましては「平成20年3月末日を目標として、新施設の用地を選定するものとし、用地の選定方法については、公募も視野に入れ、移転建設計画策定委員会において決定する」と規定をされております。 いずれも調停は奈良市と申請人との一種の和解契約ということになりますので、早期に新施設を建設するために現候補地で進めるということで、両者の意思確認についてはできているものと認識をいたしており、特段の問題はないものと考えております。 ○議長(土田敏朗君) 道端君。 ◆10番(道端孝治君) 3問目は意見並びに要望とさせていただきます。 まず、クリーンセンターについてでございます。 先ほどの答弁--市長の答弁です--調停は奈良市と申請人との一種の和解契約ということになりますので、早期に新施設を建設するために七条地区で進めるということで、両者の意思確認ができていると認識しておりますので、特段の問題はないと考えていると、このように答弁されました。 これは本当なんですか。両者の意思確認ができた--調停人3,500人余りの方と意思疎通が、意思確認ができたのですか。調停条項をもって候補地の選定をよしとするならば、調停条項第2条はどうされるのですか。 いずれにせよ、候補地の選定についてでございますけれども、広域化の前提で選定された七条地区ですが、先ほども、単独でもこの地区を候補地にすることの妥当性があると答弁、これは奈良市民、地域住民にとっても非常に乱暴だと私は思います。 何度も申し上げますが、七条地区はクリーンセンター建設計画策定委員会--これは以前、奈良市ごみ焼却施設移転建設計画策定委員会ですね--これによって、病院や学校が隣接しているということで早々に除外された地域であり、広域化、これは特に大和郡山市さんがあると思うんですけれども、広域化という新たな概念を前提にして初めて候補地としての妥当性が見いだせるものであると考えます。 仮に単独の場合でやるとするならば、候補地は一旦白紙に戻し、策定委員会によって選定していくべきだと思います。なぜこの地区が候補地になったのか、理由をきちんと筋道立てて説明できなければ、地元住民の理解を得ることはより困難になると思います。 まして、七条地区の住民には、広域化のメリット、そして広域化だからこの地区なんだという説明しか現在しておられないのではないのですか。奈良市のホームページにも、広域化の推進、広域化のメリットしか書いてありません。単独など一文字もありません。こんな状態で、広域化でも単独でもここでやります、JR新駅、奈良インターチェンジ、世界遺産に囲まれた近未来と悠久の奈良を味わえる地域ですからと言われましても、まるで道の駅を造るかのように、そのような感じで地域の住民は納得されるとは思えません。筋道を立てることをお願いします。 そして、広域化についてです。 大和郡山市からアプローチがあれば協議や調整を行うつもりという何とも消極的なお答えで、非常に残念でございます。こちらから何が何でもとアプローチしていくことが市長の役目ではないのですか。 また、斑鳩町ともいまだ合同勉強会の段階で、枠組みの確定とは程遠い状態だと思います。この状態で、県から交付金が確保できるとは思えません。県から交付決定がなかったら、この施策の財源はどうなさるのですか。一般財源で賄うおつもりですか。それはなかなか認めることはできません。単独でも妥当性があるなどと言わずに、広域化に向けて市長がリーダーシップを取っていただきたいと意見させていただきます。 次に、県域水道一体化についてでございます。 奈良市民、本市民にとって有益であるかが判断基準となります、現在は中立の立場で慎重に検証していきますとの答弁、これは理解いたしました。ぜひ中立の立場で、様々な面から一体化について検証して、判断していただきたいと思います。そのためにも、8月まで開催される奈良市県域水道一体化取組事業懇談会には、間違いのない情報提供をお願いします。 企業団のスケジュールに対して、本市として時間的余裕がないのが気がかりでございますけれども、今後は企業団設立準備協議会に欠席することなく、本市として譲ることは譲る、譲れないことは譲れないとしっかりと主張していただき、本市だけでなく企業団に参加している自治体全てがウィン・ウィンになる選択をしていただきたいと思います。 次に、地方創生臨時交付金の活用についてです。 執行残などがなく、無駄のないように使っているとの答弁です。安心しました。これからも適正な執行をよろしくお願いします。 1点だけ要望させていただきます。 今定例会においても、様々な施策に対してこの交付金を活用した予算化をされました。また、本市はこれまで、この交付金を活用した独自の多種多様な施策も行ってまいりました。 今回の施策について言うのではないのですが、これまでの全ての施策において、国がその予算を全額負担するため、本市の負担がないため、本市として綿密な効果のシミュレーションを行わないで始めた施策もあったのかと思います。 この交付金の使い方で一番大切なのは、この交付金で得をする市民があってはならないこと、コロナの影響で困っている市民、損をしている市民を助けることを目的としての使用が一番大切なことだと思います。休業補償で逆に収入が増えた、子供とは別居中なのに子供への支援金が振り込まれたが返却しなかった、このような事象がないような施策をこれからもよろしくお願いします。 次に、コロナ感染症についてです。 答弁でありました、感染対策と社会経済活動の両立に向けた方針変換を進めており、本市としても感染状況を十分注視した上で対応を進めてまいりたいとのこと。しかし、基本的に感染対策と社会経済活動の両立などあり得ないと思います。 そこにはメリット、デメリットのバランス、優先順位で対応していかなければならないと思います。そのために大切なのは、エビデンスに基づいた対策をしていくかどうかだと思います。よろしくお願いします。 また、奈良県との協調ですが、控え目に見ましても一枚岩になっているようには見えません。責任ある立場の者が定期的に協議するなど、情報の共有をしていただくようお願い申し上げます。 次に、西谷副市長自身の総括についてでございます。 まずは、まだ任期まで3か月以上ありますが、ひとまず4年間お疲れさまでございました。 本日、自身での総括、非常に答えにくかったと思いますが、御丁寧にお答えいただきありがとうございます。 目標となる財政指標に一定の成果があったとのことでしたが、就任当初述べられた、財政構造を変えることはどうだったのでしょうか。無駄は省けましたか。地域振興基金の繰替運用の点はどうですか。副市長が市の財政課長として在職時には、繰戻しの方法を検討すると答弁されておりました。結局は手つかずで、塩漬けのままです。もちろん、大変ハードルが高い案件であるとは思いますが、何とか一歩、いや半歩でも進めてほしかったと思います。 次の任期についてはここでは触れませんが、残り任期、全力で課題解決に取り組んでいただくよう要望させていただきます。 次に、給食費の問題についてです。 昨今の原油高、円安、またウクライナの情勢などによる急激な物価高騰は、給食費だけでなく子供の衣類、文具、またバンビーホームの給食、学校生活に関わる全てのコストに影響が出てくると思います。 現時点で価格に大きな影響は出ないとの答弁でしたが、いずれ影響が発生することは目に見えております。そのときに、他の教育費を削って財源を確保するようなことにならないよう、コロナ交付金の活用を念頭に置いて今後の対応をお願いします。子供たちへの教育の質の低下、子育て世帯への負担増加を避ける施策の展開を要望させていただきます。 最後に、マスクについてです。 感染症対策としてマスクを着用すること、このことは当然必要でありますし、また、外すことに不安を持っている児童・生徒、これへの配慮も大変必要なことだと思います。 しかし、やはりマスクが当たり前になってしまい、着けているほうが気持ちが楽、素顔を見られたくないというこの心理状況、これは子供たちにプラスには絶対にならないと思います。保護者としてもそれらの点は考えていく必要がありますけれども、教育委員会としても子供たち一人一人に寄り添った対応をお願いいたします。 コロナ禍を既に3年以上経験してきた今、感染症対策のメリット、デメリットが見えてくるようになってきました。コロナ禍の中、子供たちをどのように育んでいくのか、何を優先していくべきなのか、しっかりと考える時期に来ていると思います。この大変な時代に頑張っている子供たちのために、知恵を出していきましょう。市長、教育長、よろしくお願いします。 以上で代表質問を終わります。 ○議長(土田敏朗君) 38番伊藤君。   (38番 伊藤 剛君 登壇) ◆38番(伊藤剛君) 私は、公明党奈良市議会議員団を代表し、既に通告している数点について、市長、教育長へ質問します。 初めに、第5次総合計画の未来ビジョンと推進方針について、市長に質問します。 未来ビジョンの基本姿勢に、市民と行政の協働によって、ひとづくり、しごとづくり、くらしづくり、まちづくりを進める、効果的にサービスを提供するとともに、健全な行財政運営を推進するまちを目指すとあり、本市の厳しい財政状況の中、多様な行政課題に対応していくためには、経営資源の効率的、効果的な運用を加速させる必要がある、このように記載されております。経営資源の効果的、効率的な運用を加速させるためには、行財政改革ということが不可欠であります。 そこでまず、今後の行財政改革について、どのような姿勢で臨まれるのかお尋ねします。 次に、感染症対策における健康危機管理体制整備について数点質問します。 まず、新型コロナウイルス感染症への対応において、特に第6波ではこれまでの予測をはるかに超える陽性者が発生し、保健所業務の負担が大幅に増大した結果、現場は逼迫状態となりました。 そこでまず、このことを教訓として、今後の職員体制の確保についてどのように考えておられるのかお尋ねします。 次に、新型コロナウイルス感染者等の情報を一元的に管理し、医療機関、保健所、都道府県等の関係者間で共有するためのシステムであるHER-SYSの活用状況についてであります。 コロナ陽性者を診断した医師は、保健所に対し発生届を提出することになっており、当初はファクスによる届出でありましたが、国からのHER-SYSの導入により、システム入力による届出が可能となったと伺っております。 しかしながら、現在もファクスによる届出が数多くあることで、事務処理が滞り、職員への負担増となっていることが全国的課題として指摘もされました。 そこで、本市における現状と改善への取組についてお尋ねします。 次に、自宅療養者への医療体制の確保として、自宅待機者フォローアップセンターを設置されたとお聞きしております。 そこで、このセンターが果たした役割について、どのように考えておられるのかお尋ねします。 次に、地方創生臨時交付金の活用による生活者目線の施策について質問します。 長引くコロナ禍に加えて、原油価格や物価高騰の影響により、生活者は様々な分野で大きな負担を強いられておりますが、今回、我が党が要請した地方創生臨時交付金の拡充により、生活者への支援が強化されることになりました。 そこで、本市として、同交付金を活用した生活者目線の施策についてお尋ねします。 次に、子育て支援策について数点質問します。 現在、国では、縦割り行政と批判の多かった子供政策に関する部局をこども家庭庁に統一するべく、関連法案が審議されています。 我が党は、こども家庭庁創設に向けこれまで尽力してまいりましたが、同庁が設置されましたら、縦割り行政による弊害の解消を目指しつつ、円滑な政策展開に期待が持たれるところであり、同庁では厚生労働省や内閣府の子供政策に関する部局を統合し、妊娠前から妊娠・出産・子育て期にわたる切れ目ない支援の充実を目指すとされています。 一方、本市では、今年4月より児童相談所や子ども家庭総合支援拠点を持つ奈良市子どもセンターが開設されました。 そこでまず、同センター開設に伴い、子育て世帯に対する支援にどのような変化があったのか、また、どのような切れ目ない支援の充実が図られたのかをお尋ねします。 さらに、こども家庭庁発足とともに、国の支援を注視しつつ、子育て支援については特に切れ目なく支援することが重要と考えます。今後の本市の施策方針において、この点をどのようにお考えなのかお尋ねします。 次に、本市では、子ども・子育て支援事業計画の基本方針にのっとり、地域ぐるみで子供を育てる環境づくりの推進を基本目標として子育て支援を進めておられます。 そこで、未就園児に対し、地域が子育てに関わる体制整備について、どのようにお考えなのかお尋ねします。 次に、生きがいづくりと地域福祉の充実について数点質問します。 人生100年時代を迎えるに当たり、高齢者の生活にも大きな変化が見られます。例えば、70歳から74歳までの就業率は、2011年では22.8%でありましたが、2020年度の時点で32.5%と約10%上昇しております。 年齢を重ねられても、生きがいを持って日々生活していただくことが健康長寿につながるものであり、行政としてもこうした変化への対応に迫られています。 コロナ禍の中、趣味や活動を自粛している高齢者も少なくないと思われますが、そこで、今後本市として、高齢者の生きがいづくりについてどのように取り組んでいかれるのかお尋ねします。 次に、地域福祉の充実についてであります。 2025年には5人に1人が認知症になる可能性があることから、認知症の方及び同居する家族も含めて、在宅での支援策が積極的に進められております。 今後、誰一人取り残さないという体制を強化するため、新たな支援の枠組みが必要かと思いますが、今年度策定された地域福祉計画を推進する上で、この点をどのように考えておられるのかお尋ねします。 次に、防災対応力の向上についてであります。 政府は今年の1月、南海トラフ巨大地震の40年以内の発生確率を80%から90%より、これを90%程度に引き上げました。本市における最大震度は6強、それに伴う被害は、最悪のケースで県全体で約1,300人の死者、約1万5000人の負傷者、約4,800人の要救助者が想定されております。この大きな脅威に対し、本市としてどのように備えていかれるのかお尋ねします。 次に、橋梁長寿命化修繕計画について数点質問します。 国では、国土強靱化緊急対策の実施を通じ、経年劣化が進んでいる道路インフラの強化を進めるべく更新工事が進められています。一方、本市においても、着工後50年以上経過する老朽化した橋梁が数多く存在する中、それらに対する強度の維持が大きな課題となっております。 橋梁長寿命化修繕計画に基づき、本市の橋梁への安全性確保に向けての工事が進められておりますが、最近の京都府南部を震源とする中規模程度の地震の頻発、南海トラフ地震発生確率の上方修正など、道路インフラを取り巻く不安材料が増加する中、老朽化した橋梁に対し、より早期の長寿命化、耐震化を求める市民の声が高まっております。 その一つの事例として、本市西部にある鶴舞橋に対しまして国による直轄診断が行われ、今後、早期の長寿命化、耐震化に向けてのスケジュール、これがどうなっているのか、こうした地域住民の皆さんからの問合せも多くなってきております。 そこで、1点目として、本市の橋梁定期点検の実施状況について。 2点目に、鶴舞橋の長寿命化、耐震化について。 3点目は、長寿命化や耐震補強を実施する上での予算の確保について、どのように考えておられるのかお尋ねします。 次に、地域協働のオンデマンド交通の活用による交通弱者対策の強化について質問します。 かつてない高齢社会が到来する中、一定のバス路線が整備されている本市の市街地においても、バス停からの距離があり、また、バスの運行便数が最近減っていて困っているという、こうした声をお聞きする地域もございます。 公共交通には、高齢者をはじめとする利用者のニーズに対応したサービスを的確に提供する柔軟性が求められる中、オンデマンド交通は多様なサービスを提供できる柔軟性に優れた交通手段であり、市民からの期待が大きいと考えます。 そこで、今後の交通弱者対策として、オンデマンド交通の活用を含めた本市の取組について、どのようにお考えなのかお尋ねします。 次に、経済と観光の活性化について数点質問します。 まず、奈良市南部地域の工業地帯の拡大についてであります。 本市におきましては、八条・大安寺地域において、JR関西本線の新駅と京奈和自動車道大和北道路仮称奈良インターチェンジの設置に向けた事業化が図られ、JR関西本線の高架化や都市計画道路である西九条佐保線の整備が進められている状況です。また、JR新駅東側に広がる田園地帯は、新産業の創造拠点としての位置づけを目指し、企業誘致が図られています。 一方、本市の南部地域である西九条周辺地域には工業地帯が広がっており、大企業から中小企業まで幅広く企業が進出している状況であります。 こうした状況の中、八条・大安寺地域のJR新駅等の交通結節点と西九条佐保線の整備に伴い、将来的には本市南部地域への事業進出が見込まれると考えますが、JR新駅東側の新産業創造拠点との関連を含め、当該地域における工業地域の拡大を視野に入れた用途地域の変更等について、どのようにお考えなのかお尋ねします。 次に、観光の活性化であります。 コロナとなり、観光需要にブレーキがかかった状態が続く中、2年半が経過し、ようやく少しずつではありますが本市の観光入込客数の増加傾向がうかがえます。しかしながら、最盛期には及ばない状況であり、ウィズコロナ、アフターコロナという要素も考慮する中、こうした現状を打開するための施策を検討し、準備を進める必要があると考えます。 そこで、1点目として、本市のさらなる魅力発信、滞在時間延長等に向けて、どのように取り組まれるのかお尋ねします。 2点目として、中町道の駅が令和5年のオープンを目指し、奈良県によって整備が進められており、本市西部地域の観光活性化への一大拠点になると期待されておりますが、今後、本市としてどのように対応されるのかお尋ねします。 次に、県域水道一体化構想について数点質問します。 まず、県内水道料金の統一化と従量料金制により、奈良市民の使用料負担総額と奈良市域の建設改良費のバランスが取れていないのではないかとの疑念が持たれます。 すなわち、県内の各市町村の使用料負担総額と、それぞれの行政区域の建設改良費の割合と本市のそれを比較した場合、本市は県内各市町村よりも、いわゆる割り勘負けしているのではないかと思われますが、その点についてのお考えをお尋ねします。 次に、設備事業者における課題についてであります。 そもそも建設改良が進まない要因の一つに、職員数の減少とスキルの低下があります。一体化の議論の中で検討されている、県内の各自治体が計画し希望する建設改良費分の工事を実際進めていくとなりますと、企業団の人員とスキルが実体を伴っているのかとの疑念も拭えません。この点についてのお考えをお答えください。 また、工事の発注総額が大きくなることも予測され、他府県のAクラスの事業者が奈良県に入り込み、県内事業者の経営に影響を及ぼす懸念が持たれます。さらに、県内の事業者は中小・小規模事業者が実態として多く、こういった事業者が育たないおそれもあり、下請・孫請事業者からの脱却ができない懸念が強まると考えます。この点についてのお考えをお示しください。 次に、県域水道一体化協議会の議論の変化についてであります。 初期の県域水道一体化構想では、奈良県のダム用水事業について、県内自治体による企業団設立により用水事業を移管するというシンプルな話であったと認識しています。しかし、県内統一料金と建設改良費の増大、及び6市町村の水道事業赤字に対する一般会計からの補填は2年を経過すると免除するという状況となったことから、従量料金制により奈良市民への負担が増すことになりました。 その後、奈良市側が議論をゼロベースに戻すことを要望しましたが聞き入れられず、また、経営感覚でシミュレーションするための詳細資料を提出しましたが、対応がなされていないという状況であります。 本市以外の自治体は、これまで独自ではできなかった建設改良を実施してもらえる、水道料金を下げてもらえる、厳しい経営を強いられている上下水道を手放せる等のメリットが多く、賛成以外の選択肢はなく、反対意見はほとんどなかったわけであります。 一方、本市は一体化協議会を欠席せざるを得なかったわけでありますが、今後、一部の首長間で開催される部会については、どのようなスタンスで議論に臨まれるのかお尋ねをいたします。 次に、学校教育の充実について、教育長に3点質問します。 教育は、全ての子供と若者の幸福のため、人間をつくるためにあり、子供と若者にとって最大の教育環境の一つが学校であることは言うまでもありません。 子供たちがこれからの社会において自信を持って生きていくためには、褒める教育、認め合う教育など、互いに認め合い、自己肯定感を育成していくことが重要であると考えますが、まずこの点について、教育長のお考えをお尋ねします。 次に、3月定例会で我が党の代表質問において、GIGAスクール構想の成果と課題として、子供たちの学びの機会の保障につながる一方、これまでの学習スタイルとICTを活用した学びとの組合せの構築が今後の課題との答弁をいただいております。 そこで、今年度、ICTを活用しながら、教育的効果を高めるためどのような取組をされるのかお尋ねします。 次に、GIGAスクール構想を進めるに当たり、タブレット端末の故障等への対応が大きな課題と伺っております。 そこで、今後どのように対処されるのかお尋ねいたします。 以上で私の1問目とさせていただきます。 ○議長(土田敏朗君) 市長。   (市長 仲川元庸君 登壇)
    ◎市長(仲川元庸君) ただいまの伊藤議員の御質問にお答えを申し上げます。 まず初めに、今後の行財政改革についてという御質問でございます。 今後につきましては、市が真に提供すべき市民サービスを確実に提供できる行政体制の確立のため、引き続き一層の行革の取組が必要であると認識をいたしております。 これまでにつきましては、実質的な市の借金としての市債残高につきましては、平成21年度から令和2年度までの間におきましては合計で531億円削減をしたほか、定員適正化計画に基づく職員数の削減や手当等の見直しによる人件費総額の抑制を重視して取り組んでまいりました。 また、令和4年度からを計画期間といたします新たな行財政改革計画におきましては、これまでの議論を踏まえつつも、新型コロナの拡大を機に、人々の生活様式に与えた影響から見えてきた課題に対し、例えばデジタル化の流れや組織人員体制の見直しをより加速する手を打つために、新たにDXの推進と業務改革を取組の柱に据えております。 このほか、様々な人々と課題を共有し、力を出し合って共に地域課題の解決に取り組む協働の視点の重要性がさらに高まっていることから、官民連携・協働の推進も新たな取組の柱として、これまで進めてきた民間活用を続けるとともに、地域の皆様にお任せできることはその力をお借りすることによって、行政の効率性を上げ、コストを削減し、限られた経営資源を有効に活用していく取組を進めていきたいと考えております。 次に、保健所の体制についてでございますけれども、これまでも感染状況に応じて健康医療部内及び全庁的な事務従事等の応援体制に加えまして、積極的疫学調査やHER-SYSへの入力業務などにつきましては、会計年度任用職員の雇用や人材派遣、また業務の委託化などにより対応してまいりました。 今回の第6波につきましては、ピーク時の感染者数が1日当たり446名と、第5波の約6倍の規模となった上、減少速度が鈍いという状況が継続しており、5か月たった今も完全に収束しているとは言えず、長期的な対応が求められている状況にございます。 このことから、令和4年4月にはさらに派遣職員等の外部人材の増員を図り、一定の感染者数までは健康医療部内で対応ができる体制を確保するとともに、感染者の急増時には引き続き全庁的な応援体制を組み合わせることで、今後の新たな波の到来に対しても保健所機能の維持に努めていきたいと考えております。 次に、HER-SYSとファクスによる患者発生届の取扱いの現状についてということでございますが、当初、ファクスにより発生届が提出をされていたため、HER-SYS導入後も従来のファクスでの提出が大半で、保健所側でシステムへの入力を行う必要があり、感染者数の増加とともにその業務量も増大しておりました。 現在におきましては、検査実施医療機関において、約4割がシステム入力による発生届の提出をいただいておりまして、一定の業務負担軽減が図られていると考えております。 なお、検査数の多い医療機関においては、業務量の多さからシステム入力が困難な状況もあると聞いておりますけれども、今後も、他の医療機関に対しても積極的にHER-SYSへの入力をお願いするよう協力を求めていきたいと考えております。 次に、自宅療養者への医療体制の確保として設置をいたしました自宅待機者フォローアップセンターの役割についてということでございます。 同センターにつきましては、入院及び療養施設入所の調整中に自宅待機状態におられる患者様に対しまして、入所、入院、また療養の解除に至るまでの様々な工程において適切な医療を提供することを目的として、本年1月7日に設置をいたしております。 また、オミクロン株に置き換わりました第6波におきましては、感染者の激増によりまして、結果として約9割が自宅療養を行っており、同センターでは入院、入所の待機者だけではなくて、自宅療養者についても対応させていただいております。 設置からの累計利用者数については、5月末時点で292名となっており、センターでは電話診察を行う中で、必要に応じ薬の処方や往診を行い、入院調整に時間を要する場合には在宅酸素療法の導入も行わせていただいております。 入院、入所の待機者、また自宅療養者にとりましては、センターは24時間体制で必要に応じた在宅医療の提供が受けられ、入院が必要な方を入院調整につなぐなど、いわゆる重症化予防にも大きく貢献をしているものであり、療養生活における不安の軽減に大きく寄与している取組であると認識をいたしております。 続きまして、地方創生臨時交付金を活用した生活者目線の施策についてということでございます。 このたびの新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の取扱いにつきましては、総合緊急対策として地方公共団体が、コロナ禍において原油価格や電気・ガス料金を含む物価の高騰の影響を受けた生活者などの負担の軽減を地域の実情に応じきめ細やかに実施できるよう、コロナ禍における原油価格・物価高騰対応分というものが新たに創設をされました。 これらを受けまして、本市としても、物価高騰の影響に直面し、生活に困っておられる方々への支援を様々な視点から検証し、考察した結果として、本市独自の支援策を今般、予算提案させていただいているところでございます。 特に、コロナ禍の長期化によりまして、生活困窮者の中でも特に家計の負担の多い子育て世帯が大変な状況下にあると判断し、物価高騰の影響を受けながらも生活必需品を引き続き購入できるよう、収入に応じた支援策が必要であると認識をいたしましたので、住民税非課税世帯などの低所得子育て世帯に対しましては子供1人につき3万円分、それ以外の子育て世帯には子供1人につき1万円分の商品券を配付させていただくことといたしました。 それ以外の世帯につきましても、物価高騰の影響を受けておられますので、全世帯を対象にも生活応援プレミアム付商品券を発行するということで、幅広く市民生活を応援しようと考えた次第でございます。 次に、子ども・子育て支援についての御質問であります。 切れ目ない支援の充実についてということでございますが、本市におきましては、これまでも妊娠から出産、そして子育てにわたる、いわゆる切れ目ない支援ということにつきまして、重点的に対応してきたところでございます。 それに加えまして、今般、子どもセンターを開設したことによって、児童相談所機能が新たに加わりました。それにより、子供やその家庭に係る母子保健、子育て、福祉、教育などの関係機関が必要な情報や支援をスピーディーに共有し、継続的に連携した支援体制を取れるようになってきたと考えております。 来年度発足いたしますこども家庭庁の状況や、国の予算措置の動向などにつきましても注視をし、市としては保健所を設置している中核市の強みを生かし、関係機関とさらなる連携を図り、児童虐待、子供の貧困、独り親の支援、保育行政、子ども医療費の現物給付化の年齢拡大など、様々な子育てに関わる課題に引き続きしっかりと取り組んでいく所存でございます。 今後も社会情勢の変化に対応しながら、柔軟に、かつ切れ目ない支援を実現していきたいと考えております。 次に、未就学児の子育てに地域が関わる取組についての御質問でございます。 特に、幼稚園などどこにも所属をされていない子育て家庭については、地域社会との接点が非常に限られているということで、結果として子育てに関しての悩みの相談、また、助けを求めるということが難しい、いわゆる孤立化するという状況があり、これらは大変大きな社会問題であると認識をいたしております。 これまでも、市といたしましては子育て親子の居場所、また相談場所として地域子育て支援拠点を展開してまいりましたが、課題を抱えているにもかかわらず、何らかの理由でこれらの施設を利用できないという子育て家庭もおられますので、そういった家庭へのいわゆるアウトリーチが必要であると考えております。 そこで、今後はこれらの市内の拠点を核といたしまして、地域の子育て資源の育成、また地域課題の発見や共有、地域で必要な社会資源の開発を行い、子育て親子を地域全体でサポートしていく体制を構築していく必要があると認識をしております。 また、地域での相互援助活動を行うファミリー・サポート・センター事業、また子育て支援アドバイザー事業、また子育てサークルへの支援など、地域における子育て支援サービスの充実をさらに図ることで、家庭と地域が支え合う、子育てしやすいまちづくりを目指していきたいと考えております。 これらにおきましては、やはり子育てを、家庭にだけその役割や負担を任せるということではなくて、地域で見守り、育てていくという機運の醸成が重要であると認識をしております。 続きまして、健康長寿の取組についてということでございます。 本市の取組といたしましては、高齢者の方々が生きがいにあふれた日常生活を過ごし、生涯にわたって健やかに暮らし続けていただくことができるように、これまでも運動、レクリエーションなどとともに、介護予防事業などを通して健康づくりを推進してまいりました。 また、お住まいの地域において社会貢献をいただくことも健康長寿につながる秘訣であることから、自治会の役員、また民生・児童委員などの地域の活動者など、いわゆる会社などを定年退職された後の地域社会の担い手として活動いただくケースも大変多くございました。 一方で、定年制度の延長などによりまして、65歳以上の方でも就労されている方が増えているという状況がございます。これまで活動に御協力をいただいていた方の協力が得られなくなるなど、地域における活動者の確保に非常に苦慮していただいている状況があると認識をいたしております。 本市としては、特に本年12月には民生・児童委員の改選期を迎えるわけでございますが、これにつきましては、これまで原則75歳までとしていた年齢制限について、80歳までとするように見直しをしたところでもございます。 今後も介護予防事業のより一層の充実とともに、年齢にかかわらず御自身の状況に応じて、これまでの御経験や知識を地域社会や就労など幅広い分野で提供していただける生きがいづくりにも積極的に取り組んでいきたいというふうに考えております。 次に、認知症施策や地域福祉計画の推進についての御質問であります。 認知症の方々が地域社会から取り残され孤立することのないように、また、地域での困り事に寄り添い、丁寧に対応していくためには、なるべく地域の身近なところで対応をさせていただくことが望ましいと考えております。 その一環といたしまして、地域包括支援センターが認知症カフェをおおむね月に1回開催するなど、身近な居場所づくり、また身近な支援体制ということをこれまでも目指してまいりました。 今後、地域福祉をさらに推進していくに当たりましては、民生・児童委員、また地区社会福祉協議会をはじめとした地域の支援者が活動していただきやすい環境の整備を行うということが重要であり、行政が設置する様々な相談・支援機関とともに、地域の活動者が集える場の設置を進めていきたいというふうに考えております。 続きまして、南海トラフ巨大地震への備えということでございます。 いつ起こっても不思議ではないと言われている南海トラフ巨大地震につきましては、これまでも、本市において最も揺れが大きく、また被害想定も大きいとされております奈良盆地東縁断層帯地震を念頭に置きまして、様々な備えを行ってきたところであります。 様々な各種計画、またマニュアルなどの充実、総合防災訓練や被災地への職員派遣を通じた市の災害対応能力の向上、また自主防災・防犯組織の強化推進などによる地域防災力の向上、そして防災スピーカーをはじめとする災害時の情報伝達手段の高度化や防災通信インフラの整備、また防災備蓄の充実、避難環境の整備など、これらの取組は南海トラフ巨大地震への対応に当たっても大きな力を発揮するものと考えております。 一方で、南海トラフ巨大地震の特性や、国や県の活動計画などを踏まえた市の災害対策本部としての図上訓練や、また南海トラフ巨大地震に備えるための職員の意識改革については、まだまだ十分ではないと認識をいたしております。 これらの認識の下、本年9月1日に行います災害対策本部訓練におきましては、南海トラフ巨大地震を想定し、関係機関などが参加をする形で訓練を行い、各部の対応についてもしっかりと自立的に考える機会としていきたいというふうに考えております。 今後も、御指摘の南海トラフ巨大地震をはじめ、様々な災害にしっかりと対応ができる防災・減災のまちづくりに努めてまいりたいと考えております。 続きまして、橋梁の定期点検の実施状況についての御質問であります。 奈良市が奈良市道として管理をいたしております長さが2.0メーター以上の橋梁につきましては、市内で659橋ございます。これにつきまして、平成26年度から平成30年度までの5か年で1巡目の定期点検を行いました。その点検結果を踏まえまして、令和3年3月に長寿命化修繕計画を策定いたしております。 現在は2巡目の定期点検を行っており、これと併せて、長寿命化修繕計画に基づき修繕工事についても実施をいたしております。 西部地域の重要路線にございます鶴舞橋につきましては、この1巡目の点検の結果では、4段階で区分をした判定結果では悪いほうから2番目でありまして、これは構造物の機能に支障が生じる可能性があり、早期に措置を講ずべき状態とされております。 また、第2次緊急輸送道路でもございますことから、耐震補強工事についても対応が急がれる橋梁でございます。このことから、国土交通省が実施をいたします直轄診断に応募をさせていただきまして、国土交通省、国土技術政策総合研究所、そして国土研究開発法人土木研究所のメンバーから成ります道路メンテナンス技術集団によります調査、診断を行っていただきまして、本年2月にその結果の報告を頂戴いたした次第であります。 今年度につきましては、引き続き国の支援をいただき、国が市町村からの要請によって代わって工事を行います直轄修繕代行事業の制度によりまして、長寿命化の修繕、また耐震補強工事に向けた詳細設計を行う予定をいたしております。 次に、長寿命化や耐震化に係る予算の確保についての御質問であります。 道路を構成する橋梁以外の構造物を含めて、長寿命化、また耐震補強工事は大変重要であり、また急がれる事業であると認識をしており、その予算の確保に向けましては、これまでも直接国に出向くなど要望活動を重ねてきたところでございます。これらについては、引き続き取り組んでいきたいと考えております。 続きまして、オンデマンド交通についての御質問でございます。 今後の取組についてということでありますが、本市におきまして、公共交通の空白地対策は大変重要であると認識をしており、これまで特に東部地域を中心にコミュニティバスの実証運行などの取組を行ってきたところでございます。 一方、御指摘のように、市街地におきましてもバス路線網が一定整備をされており、タクシーの利用も可能であることから、公共交通としての利便性が一定保たれている地域もございますけれども、一方で、最寄りのバス停から距離が離れた地域にお住まいの方もおられ、例えば高齢者の方がバス停まで移動が困難であるというような、いわゆるラストワンマイル問題については、市街地でも発生しているという状況を認識いたしております。 今後、きめ細やかな地域内交通の確保などについても大きな課題であると考えており、御指摘のオンデマンド型の交通についても選択肢の一つと認識をいたしております。 これらにつきましては、既存の公共交通との役割分担、また連携を図るということも重要であると考えており、引き続き、地域の御意見も伺いながら取組を検討していきたいというふうに考えております。 続きまして、八条・大安寺のまちづくりについての御質問をいただきました。 奈良市南部地域の工業地域の拡大についてということでありますが、近年の本市の状況といたしましては、八条・大安寺周辺地域におきましては、JR関西本線の新駅、そして京奈和自動車道大和北道路の仮称奈良インターチェンジの設置によります交通結節点及び都市計画道路でございます西九条佐保線の整備を進めておりまして、本市におきましては社会情勢の変化が顕著となっている状況であるとともに、新たな交通網の構築と地域の産業の発展に寄与するものであると認識をいたしております。 一方で、奈良市の南部地域であります西九条周辺地域におきましては、ハウスメーカーや自動車修理工場等、大企業から中小企業まで幅広い企業が既に事業進出をされている状況にございます。 今後、この南部地域と奈良インターチェンジ、またJR新駅などをつなぐ西九条佐保線の整備を進めることで、南部地域のさらなる発展が見込めると考えております。 この御質問をいただきました工業地域の拡大ということにつきましては、南部地域への事業者の進出ニーズ、また要望などを踏まえた上で、奈良市都市計画マスタープランにおいて土地利用の方向性を明確に示し、基盤整備、また事業者の誘致など、産業活性化の面から用途地域の変更の必要性についてしっかりと検討を進めていきたいというふうに考えております。 続きまして、観光についての御質問でございます。 このコロナ禍でブレーキがかかった状況で、もう既に2年を超えた時間が経過しているという中で、今後特に観光の魅力の発信、また滞在時間の延長に向けてどのような取組をしていくのかという御質問でございます。 この2年間のコロナ禍は、本市の観光産業にも非常に厳しい影響を与えております。一方で、今年の春は3年ぶりに天平祭も開催をされ、これにはコロナ前の約9割の水準に当たります4万1500名が参加をされたということでございます。 インバウンドについては、団体ツアーに限ってではございますが、6月10日から観光客を受け入れるということが決まったところでもございます。 これら今後の観光需要の回復のタイミングを逃すことなく、本市への来訪、また観光産業の振興につなげていくために、令和3年度には観光コンテンツの造成補助事業を実施いたしました。同事業につきましては、滞在時間の延長、また宿泊者数の増加が見込まれる取組に対して、市が企画を募集いたしまして補助をさせていただいております。この中では、古来から伝わる漢方や薬草を利用したウェルネスツーリズム、また1,300年前の奈良町を巡る古地図ウオーキングなど、合わせて12の事業が実施をされました。 市の補助は令和3年度のみでございましたが、令和4年度側でもコンテンツの継続した取組や磨き上げを求めておりまして、今後、継続的な進捗状況をしっかりと市としても確認させていただき、支援も継続していきたいというふうに考えております。 コロナ禍においても立ち止まることなく、奈良の魅力を発掘し、そして発信をしていくために、民間事業者の取組をさらに応援していきたいというふうに考えております。 また、市の西部地域の観光活性化についてということでありますが、県の取組であります中町「道の駅」につきましては、公共交通の結節機能、地域観光のゲートウエー機能、また地元農産物の直売所機能など、様々な地域振興にもつながる機能を有する拠点として整備を進められております。また、令和3年6月には、国土交通省が全国の道の駅の中で広域的な防災拠点として位置づける防災道の駅39のうちの一つとして選定をされております。 西部地域は、これまで観光というイメージは少し弱かったところがございますが、議員からもいつも御提案をいただいておりますように、富雄丸山古墳をはじめ様々な歴史資産、また美術館、また赤膚焼の窯元など、様々な魅力ある資源にあふれている地域でもあると認識をいたしております。 富雄丸山古墳の活用につきましては、この県が整備をいたします中町道の駅に隣接するということもございますので、市の観光協会と連携してこれまで開催をしてきた発掘体験ツアーも大変人気でありますので、今年度もこれについては実施をしていきたいと考えております。 今後、この道の駅を拠点として、富雄丸山古墳を含めて周辺の見どころと相乗効果をもたらす形で、西部地域の活性化につながるよう、県とも連携をしながら取組を進めていきたいというふうに考えております。 続きまして、水道の広域化についての御質問でございます。 まず、奈良市が他の参加市町村と比べて割り勘負けをしているのではないかという御指摘でございます。 参加される市町村別の、それぞれのいわゆる受益と負担の公平性ということにつきましては、参加を判断する際には大変重要なものであると認識をいたしております。 一方で、企業団ということで、県域で事業を開始してまいりますと、収益性の低い地域であっても、緊急性のあるような工事や投資についてはやはり避けることができないという場面も出てこようかと思っております。これらの様々な要素を総合的に考慮した上で、公平な投資となっているかどうかということを判断することが重要であると認識をいたしております。 次に、この建設改良工事を進めていくにおいて、例えば今想定されているような現状よりも投資規模を拡大した場合に、事業団のほうの体制で対応できるのか、また、県内の事業者でその事業を全て受け切れるのかという課題についての御指摘をいただきました。 これにつきましては、現在、奈良市におきましては、建設改良を進めるに当たり、職員のスキルで対応ができる設計業務については直営での設計を行っており、また、専門的な構造計算等が必要な場合には、設計業務の委託を行って対応いたしております。 今後、事業団の組織におきましては、これまでの各自治体における上下水道の部署がそれぞれの事務所となるわけでございますが、当初の5年程度は当初の組織で業務を執行するものの、事務所間で組織力の差が生じるということについては一定懸念するところでもございます。 また、工事の発注ロットが大きくなるということによって、結果として県内の事業者が影響を受けるんではないかということにつきましては、コストの縮減と効率的な老朽化管、また老朽化施設の更新を行うことを目的に、発注ロットが大きくなっているという現状が現在生じております。 特に送配水管工事については道路の通行規制を伴って実施することから、地元住民との協議や調整、また緊急時の対応等が必要となることから、地元企業による施工が重要であるという場面も多くございます。これら工事発注時には、請負事業者においては、当該自治体に所在する企業を優先することなどを仕様書に記載するなどの配慮が必要となってくるというふうにも考えております。これらの問題につきましても、引き続き検討をしていきたいというふうに考えております。 次に、県の水道一体化構想の内容について、当初の計画から変化をしてきているということについて、今後、市としてはどのようなスタンスで協議に臨むのかということでございます。 御指摘のように、当初から少しずつ様々な条件設定が変化をしてきているということにつきましては、私どもも認識をいたしております。 また、先ほどの質問にもお答えをさせていただきましたが、いわゆるスケジュールありきで、十分な議論を尽くさずに企業団をつくってしまうということになりますと、その後の中長期の経営に影響を及ぼしかねないということは大きく懸念されるところであると認識をいたしております。 そういったことも踏まえまして、先日の5月27日の臨時の市長会におきましては、これまでも先ほど申し上げた当初の案から変わってきたという、例えば累積欠損金の取扱いなどについても改めて議論をするべきではないかという意見が、これは他市からでございますが、そういった意見も出ておりました。 引き続き、今後については、協議会の中で部会が設置されるということにもなっておりますので、その中で忌憚のない意見をしっかりと交わしていきたいというふうに考えております。 様々な検討すべき諸課題がございますけれども、それらを先送りしたり曖昧にするということではなく、その都度柔軟かつ誠実に参加市町村や県が対応していくということが求められているというふうに考えており、本市としても当然そのような姿勢で臨んでいきたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○議長(土田敏朗君) 教育長。   (教育長 北谷雅人君 登壇) ◎教育長(北谷雅人君) 伊藤議員の御質問にお答えをいたします。 初めに、子供たちがこれからの社会を自信を持って生きていくために、互いに認め合い、自己肯定感の育成をしていくことについての考え方についてでございます。 学習指導要領におきましては、自己肯定感に関する内容といたしましては、これからの学校には、一人一人の児童・生徒が自分のよさや可能性を認識できるようにすることが求められると示されております。 議員お述べのとおり、本市といたしましても、子供たちが自分の個性、適性を見いだし、自分自身に自信を持ち、社会の一員として自立して生きていくことができるよう育むことが大切であると考えております。 各学校におきましては、例えば子供たちが自分の興味、関心に沿って課題を見つけ、周りと協働しながら学びを深め、発表する探求活動をはじめとした異学年交流や、様々な体験活動などを通して自己肯定感を育んでおります。今後もこれらの取組をさらに充実させてまいりたいと考えております。 次に、ICTを活用しながら教育的効果を高めていくためにどのような取組を行っていくのかという御質問についてでございますが、今年度はICTを活用した効果的な教育活動の推進に向けて、各学校への支援を専門に行っていくICT教育推進係を学校教育課に設置し、支援体制のさらなる充実を図っているところでございます。 現在は、指導主事が学校を訪問し、教員への指導、助言を行ったり、教員支援のためのポータルサイトにデジタルテストの作成方法の動画を掲載したりするなどの支援を進めております。 また、児童・生徒におきましては、例えば学習した内容をスライド等を用いて発表する活動を通して、自分の思考を整理したり他者の視点を取り入れたりするなどの取組を進めているところでございます。 さらに、教員におきましては、こうしたICTを活用した効果的な授業実践を発表する機会や、オンライン上で教員が事例を情報交換できる交流の場を設定するなどして指導力の向上に努めているところでございます。 最後に、ICTを活用した学びを推進していくためには、端末の故障等に関わる支援が重要であるとのことの今後の取組についてでございますが、これまで本市におきましては、学校におけるICT活用を支援するためにヘルプデスクを開設し、教員や児童・生徒、保護者からの端末やアプリの操作の相談などへの対応を行ってまいりました。 令和4年度は、国による新たな補助事業といたしましてGIGAスクール運営支援センター整備事業が実施されることとなり、本市も本事業を活用することとしております。 本事業は、児童・生徒1人1台端末の円滑な運用を支えるために、民間事業者を活用した組織を中心としながら広域的な支援体制を充実させ、より安定的な支援基盤の構築を目指すものでございます。 本事業による支援範囲にはデータ活用支援が含まれており、子供たちの学習データなどを基に学習状況を可視化することで、子供たちへのきめ細かな支援を実施したり、教員の授業改善につなげたりするなどの取組をより充実させることができると考えております。本事業の活用を通して、市立学校におけるICT活用のさらなる充実を図ってまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(土田敏朗君) 伊藤君。 ◆38番(伊藤剛君) 2問目は発言席より行わせていただきます。 1点、再質問させていただきます。 先ほどの西部地域観光活性化に関連しまして、この中町「道の駅」計画地に隣接しております本市が管理する富雄丸山古墳、先ほども市長にも御答弁いただきましたが、やはり今後、この道の駅ができ、誘客をしていく、その際の大きな役割を担うと、このように期待も持たれておりますが、これまでも発掘調査の進展に合わせての状況を確認させていただきましたが、令和3年度の発掘調査の成果と令和4年度以降の予定について、市長にお尋ねいたします。 ○議長(土田敏朗君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 富雄丸山古墳について、これまでの発掘調査の意義、また今後の予定ということでありますが、発掘調査の中において最も大きな意義としては、当該古墳が日本最大の円墳であるということが確認をされたということだと思います。また、造り出しという土壇が取りつく特殊な構造を持っているということも調査の中で明らかとなりました。さらに、鏡片や装身具、また様々な埴輪など貴重な遺物も出土しております。 これらの成果は、富雄丸山古墳が歴史的に非常に価値の高い重要な古墳であるということを明らかにしたものと考えており、今後の活用をしていく中でも大変意義ある結果であったと考えております。 発掘調査につきましては今年度で終了となり、次年度以降については、出土遺物の整理を経て発掘の調査成果をまとめたいと考えており、その後、令和7年度末には国の史跡指定を目指していきたいというふうに考えております。 また、発掘体験につきましては、調査の終了に伴い一旦終了というふうになりますけれども、引き続き富雄丸山古墳の魅力を生かし、奈良市西部の文化資源として、県が整備をする中町「道の駅」と連携しながら、今後も引き続き活用を図っていきたいというふうに考えております。 ○議長(土田敏朗君) 伊藤君。 ◆38番(伊藤剛君) 3問目は主張、要望とさせていただきます。 初めに、奈良市第5次総合計画未来ビジョンにあります経営資源の効果的、効率的な運用の加速、今、そのための行財政改革の御答弁をいただきました。 本市のこれまでの実績としまして、市債残高ですね、平成21年度から令和2年度までで531億円の削減、また人件費も大きく抑制、削減、これは一定評価したいと思います。 また、デジタルトランスフォーメーションの推進と業務改革、官民連携・協働の推進といった新たな項目を改革の6つの柱に組み込んでいると、このようにも聞いておりますが、期待をしたいと思うんですが、一方で、ちょっと苦言を呈したいんですけれども、昨年9月21日付で奈良市行財政改革推進本部が発行されました新たな行財政改革計画の策定についてによりますと、昨年11月に計画案を取りまとめて、12月の段階で公表すると、こういうスケジュールでありまして、しかし、いまだにまだ公表はされていない。半年近く経過している。これはなぜなのかということですね。 また、当初、昨年12月に行財政改革計画を発表するということは、それだけ厳しい財政状況を変えていかないといけない、こういうやはり執行部としての強い思いがあったのかなと思うんです。 また、この第5次総合計画が初年度ということもありまして、そのときに行財政改革ができていないというのは、これはやはりちょっと知見のある人からしますと、奈良市はやる気があるのかなと、そう取られても仕方ないのではないかと思うんですね。画竜点睛を欠くというのはまさにこのことではないかと。 将棋に例えて恐縮でありますけれども、厳しい財政という、こういう敵陣があるとしましたら、そこにやはり戦いを挑んでいく、そのための大切な行財政改革、言ってみれば戦略、戦術、金とか銀とかという、そういう本当に主力の大切な駒に当たるんじゃないかなと思うんですね。そういう戦う体制ができていなくて、どうしてそういった行財政改革ができるのかなというところで、様々事情はおありかと思うんですけれども、やはりそこは、私は厳しく指摘をさせていただかざるを得ないと。 ただ、本来ならばこの6月定例会でそういった議論があってしかるべしではないのかなと思うんですが、遅れてきたことを今どうこう言っても仕方ありませんので、まだ策定時期が明確にされていませんけれども、やはり実効性のあるものを練り上げようとされているとは聞いております。よりよい計画、行財政改革を本当に実効的に進めていけるような計画を、その点は期待をしたいと思いますので、できるだけ早期の公表をお願いしたいと思います。 次に、感染症対策、健康危機管理体制の整備であります。 第6波によって逼迫状態を招きましたけれども、職員体制の確保、また、自宅待機者フォローアップセンターなど様々な手を打たれておりますことは確認をしております。 コロナ感染者等の情報を一元的に管理するこのHER-SYSも、課題がやはり浮き彫りになっている。4割程度しかまだ活用されていないというところは、市としても御努力はいただいていると思いますが、やはり不測の事態を招いたとき、職員の皆さんの負担を軽減するための大事なアイテムであると思いますので、なお一層の各医療機関に対しての啓発をお願いしたいなと思います。 それと、地方創生臨時交付金の活用であります。 プレミアム付商品券、また子育て応援商品券などお答えいただきまして、これは評価をいたします。私ども公明党奈良市議会議員団としても主張をし続けてまいりました。 次に、子育て支援策であります。 こちらにつきましては、先ほど様々、子どもセンターも含めた支援体制を充実されている、これは評価をさせていただきたいと思うんですが、一方で、そういった情報が必要とする方にどの程度届いているのかというところは少し検証していただかないといけないなと思います。 例えば、奈良市と同規模の千葉県市川市でありますけれども、そこでもいちかわっこWEB、奈良市の子育て@ならに当たるサイトと思うんですが、そこの利用率が、これは平成30年当時でありますけれども38.7%と決して高くない数字、大きなベッドタウンを抱えたという意味では、奈良市とそうした環境はよく似ていると思うんですが、やはり必要な人に本当に届いているかどうか、こういったことも、やはりその利用率、その把握に努めていただきたいなというふうに思います。 また、アウトリーチ型、何らかの理由で地域子育て支援拠点が利用できていない子育て家庭に対してのアウトリーチが必要との認識、この点も、今後どのように具体的に進めていかれるのかということもまた今後お示しいただきたい、このように思います。 そして、子ども医療費の現物給付化、年齢拡大についても言及いただきました。これは大変前向きな御答弁でありまして、高く評価をしたいと思います。 本市として初めてとなりますこの年齢拡大、現物給付ですね、これを目指すための費用が初めて今年度予算計上されましたので、様々ハードルはあるかと思いますが、どうか市長の御決意で力強く進めていただきたい、早期実現を期待したいと思います。 生きがいづくりと地域福祉の充実でありますが、御答弁いただきましたようにリカレント教育など地域で活躍していただける環境づくりについては、市全体としての取組を要望したいと思います。 また、防災対応力の向上につきましても、この9月にこうした大規模な訓練も予定していただいている、また、地域の自主防災組織の強化推進などを着実に進めていただいていることは確認いたしましたが、一方、子供たちに対しては、一部の小学校において防災教育が行われている、そこに地域の自主防災の方々が協力されているとお聞きしておりますが、こうした防災教育の底上げということを今後どうか図っていただきたいなと思います。 また、橋梁長寿命化修繕計画と鶴舞橋に関しましても御答弁いただきましたが、今年この詳細設計を行っていただく、これは、鶴舞橋の詳細設計は評価をいたします。早期着手に期待をしたいと思います。 また、予算確保に関しましては、以前も私ども公明党奈良市議会議員団も協力をさせていただき、また、市長も上京していただくという、こうした協力をさせていただきましたが、またそうしたことについても、これからも市議団としても機会があれば協力をさせていただきたい、このように考えております。 それと、もう時間がなくなってきたんですが、観光の活性化に関しましても、この道の駅に富雄丸山古墳のミュージアム的な展示コーナーが設置されますように、ひとつ市長にも汗をかいていただきたいなと、このように思います。 それと、企業局に関しまして、これは、議論の変化ということにつきましては様々お答えいただきましたが、県民全体のみならず、奈良市民にとっても確実にメリットがある議論をさらに深めていただく必要があると考えております。 どうか市長におかれましては、この様々な課題に対し前向きに進めていただくことを要望し、質問とさせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(土田敏朗君) 議事の都合により、暫時休憩いたします。   午後0時0分 休憩   午後1時0分 再開 ○副議長(山本憲宥君) 議長所用のため、私、代わって議長の職務を行います。よろしくお願いいたします。 休憩前に引き続き、会議を開きます。----------------------------------- ○副議長(山本憲宥君) 代表質問を続行いたします。 33番北村君。   (33番 北村拓哉君 登壇) ◆33番(北村拓哉君) 私は、日本共産党奈良市会議員団を代表して、市長並びに教育長に質問します。 まず、ロシアによるウクライナへの軍事侵略についてです。 ロシアによるウクライナ侵略を一日も早く終わらせてほしい、日本と世界の人々の切実な願いとなっています。 今、何よりも大切なのは、国際世論によるロシア包囲です。国連では、140を超える国と地域、国家体制も宗教も文化も異なる国々がロシア非難決議に賛成しました。国連憲章に基づく平和秩序の回復の1点で声を上げ、全世界が団結し、その流れをさらに広げる外交こそ侵略を止める最大の力となり、同時に、それは東アジアの平和と安定にも大きく寄与すると考えますが、市長の認識をお示しください。 日本国憲法が、日本が戦争を繰り返さない歯止めの役割を果たしてきました。日本の若者を殺し殺される戦場に送る危険な道を絶対に許さないために、憲法の専守防衛を堅持することへの所見をお聞かせください。 さらに、核兵器には核兵器、軍事には軍事のエスカレーションでは、東アジアの平和を構築することはできません。ASEAN10か国と米国、中国、日本、韓国など8か国は、東アジアサミットという平和の仕組みをつくっています。紛争を戦争にしないために、分断、排除ではなく、東アジアに包摂的な平和の枠組みを構築する外交努力こそ政治の役割と考えますが、市長の認識をお示しください。 物価高騰から暮らしと営業を守る対策について伺います。 今議会、新型コロナ感染症対応や物価高騰に伴う生活応援等で、専決処分の報告及び補正予算が提案されました。専決処分では6億7075万1000円、補正予算として23億6439万6000円で、補正予算では地方創生臨時交付金が13億3391万3000円充当されています。 交付金の内訳として、新たに創設されたコロナ禍における原油価格・物価高騰対応分と前年度からの繰越分がありますが、その詳細について伺います。 今の物価高騰は、新型コロナの影響、円安政策による輸入価格の上昇、ウクライナ情勢など複合的な要因が重なっていると考えられます。物価高騰の影響で重大なのは、光熱費や食料品などの生活必需品で物価上昇率が高いため、低所得者ほど重い負担増になっており、年収200万円未満の世帯では、今の物価高騰の影響は消費税率5%の引上げとほぼ同じになっています。 また、燃油や資材高騰の影響は全業種に及び、価格にも転嫁できず、せっぱ詰まった中小零細業者の実態があります。今、物価高騰から暮らしと営業を守る効果的な対策が求められます。 コロナ禍における物価高騰を受け、市民生活応援を目的として、生活応援プレミアム付商品券を発行する経費として5億円が予算措置されています。より多くの市民が使いやすいように販売価格を思い切って引き下げること、また、商品券を使える登録業者の業種を広げ、市内の建設関連や電気工事関連等にも使えるような対策を広げる工夫ができないかについて答弁を求めます。 新型コロナ対策について伺います。 第6波までの教訓を踏まえ、第7波に備え、準備をしておくことが決定的に重要と考えます。第6波で感染拡大が急増し、病院、高齢者施設、障害者施設等でクラスターが発生し、その中で重篤化し命を落とされる方が出た一因に、ワクチン接種の遅れがあると考えられます。ある民間の法人の関係施設でクラスターが発生したところでは、患者、利用者の3回目のワクチン接種が間に合いませんでした。 感染が爆発的に広がった原因の分析、プロセスの検証を行い、その上に立って第7波に備え、対策を強化する必要があります。 そこで、第6波の感染拡大と3回目のワクチン接種との関連をどう検証しているのか、また、厚労省からも検査を強化するよう再三通知が出されておりますが、感染拡大と県や市の検査体制の関係の検証についてお聞きをします。 3月定例会で、保健所、保健予防課の職員の時間外勤務が、今年1月時点で1人当たり月平均114.8時間、最大156.2時間で、過労死ラインを超える状況になっている実態が明らかとなりました。これは保健所職員の働き方の問題とともに、感染を広げる一因にもなりました。 奈良県立医大の研究グループが5月10日に発表された研究成果では、人口当たりの保健師数が多い都道府県ほどコロナ感染する人の割合が低いとの分析結果が示され、保健師数を増やすことは新型コロナ感染拡大を封じ込めるのに役立つ可能性を示唆したと指摘をされています。中核市で独自に保健所を持つ本市として、この分析結果をどう受け止めましたか。 次に、ジェンダー平等の社会を前進させることについてです。 我が党は、年収で240万円、生涯賃金で1億円にも上る男女の賃金格差をなくすために、企業に格差公表を義務づけることを繰り返し求めてまいりました。 国が女性活躍推進法の省令改正を行い、上場企業に対して有価証券報告書で男女賃金格差の情報開示を義務づける方針を表明したことは一歩前進と考えますが、そのことへの市長の受け止めと、男女賃金格差是正を促進する考えについて伺います。 また、今議会に提案された補正予算に、学校への生理用品の配置費用として960万円の予算措置がされました。直接的には生活困窮者等への支援としておりますが、ジェンダー平等の視点を貫く取組としても重要な動きと考えます。 そこで教育長に、この予算措置で市内の小・中学校、高等学校に対してどのような内容、規模で配置できるようになるのか、また、学校への生理用品配置の課題も含め、ジェンダー平等を進め、子供の成長、発達のためにも、包括的性教育を学校教育の中に位置づける取組が求められると考えますが、所見を伺います。 子ども医療費の現物給付の対象拡大について伺います。 今年度予算に、市町村一律で未就学児までとしている現物給付方式としている医療費助成を、奈良市単独で中学校卒業、15歳年度末まで年齢拡大をするため、1840万円の予算措置がされました。 これは市民の切実な願いを反映した動きでありますが、実現に向けて、3月定例会で市長は、市独自で進めるには新たな制度を構築しなければならない点が最も大きな課題だとし、奈良県をはじめ県下市町村に本市の方向性を示し、関係機関との調整が必要と認識を示されました。 そこで伺います。 中核市62市中、就学前のみの現物給付は現在僅か2市、その一つが本市であり、現物給付化の決定的な遅れが際立っています。市町村と同様に、都道府県においても子ども医療費の制度がありますが、助成方法で、現物給付及び償還払いの実施状況の詳細についてお聞きします。 現物給付化実現には、国から国保の交付金がカットされるペナルティーがかかること、市や県の医師会などの医療機関及び医療費の保険請求や支払いを担う国保連合会や社会保険支払基金においてシステム改修が必要となることの2つの課題があると思われます。 それぞれの課題を解決するための取組内容と進捗はどうか、また今年度、現物給付化を開始する時期についてお答えください。 次に、医療的ケア児や家族個々に応じた、ライフステージに沿った一貫した支援体制を確立する課題について伺います。 3月定例会の医療的ケア児に関する質疑で、資料の作成を市に要請し、その一つとしてライフステージごとの支援の流れと関係部局が分かるフロー図を初めて作っていただきました。このフロー図は今のところ市議会に提出をされた資料でありますが、当事者の御家族の方に御意見を伺いますと、ぜひ病院、産院や療育施設、保育園など関係施設に常備してほしい、産院で配布されるようにしてほしいと声が出されております。 医療的ケア児の御家族や病院、療育施設などの関係者の方々、行政の関係部署で内容も練り上げ、産院などに常備し、情報提供に活用すべきと考えますが、市長の所見をお聞かせください。 医療的ケア児の支援の流れについて、3月定例会でも取り上げましたが、退院後のファーストタッチは保健師さんがなされ、以後関わっていかれます。その後、必要となる支援に応じて中心となって動く部局が変わり、当事者の御家族からすれば、どの部署がトータル支援の窓口なのかが不明確でよく分からない事態が生じ、支援が円滑に届かず、混乱が起きています。 今後、支援の事例が積み重なっていくことになります。内容は個々に応じて違いはありますが、活用できる制度や補助金、支援機関等については共通した内容もあります。支援の全体の流れを把握し、情報の提供や関係者へ支援をつないだり、当事者の不安に寄り添い、相談に乗れる市の担当部署、担当者の設置を求める声が医療的ケア児の御家族から切実に出されております。実現に市長が責任を果たすべきだと考えますが、所見を伺います。 次に、加齢性難聴者の補聴器購入の市独自の助成について伺います。 加齢性難聴者の補聴器購入の市の独自助成を求める市民の願いが高まる中、我が党としてもその実現を求めてまいりました。 補聴器の役割として、市長から、難聴を原因とする生活のしづらさを改善するために重要とし、認知症の予防にもつながる、介護・医療費用の低減、健康寿命の延伸にも寄与すると認識を示された一方で、暮らすまちによって差が生じることは基本的に好ましくないとして、補聴器購入助成は国の責務として制度設計すべきと述べるにとどまっています。 国の制度として確立されるべきという点は同感で、国に働きかけを行いながらも、国の制度化につなげるために、各地で進んでいるように自治体が先行して、奈良市も独自に動き出すことが必要ではないでしょうか。 現に、子ども医療費助成の年齢拡大や現物給付化では、国の制度化を求めながらも、市長自身が先頭に立ち、市独自の助成を切り開いてきたし、切り開こうとされております。加齢性難聴者の補聴器購入補助でも、市独自の助成の検討を本格的に行うべきではありませんか、答弁を求めます。 損害賠償金支払い遅延をめぐる奈良市新斎苑用地買収訴訟について伺います。 奈良市新斎苑の用地買収をめぐる問題は、確定した司法判決を受け、奈良市は市長と元地権者2人を相手取り、損害賠償金の支払いを求める提訴を行い、今年4月14日に初弁論がありました。 その中で、とりわけ元地権者2人は、現在のところ支払いに応じる考えを全く示されていません。市として、3者から損害賠償金を回収する見込みをどう考えているのか、また、回収するための手だてを講じているのか、講じているならその内容について伺います。 次に、県域水道一体化について伺います。 奈良市県域水道一体化取組事業懇談会がスタートし、事務局から4つの論点が示されています。これに対し、3回目の奈良県広域水道企業団設立準備協議会の会議を6月6日に開き、県知事は入らない少人数の首長で構成する部会の設置を図る考えが県から示されました。これに関し、2点伺います。 1点目、首長部会の設置ということだが、覚書や中間報告の内容の変更がそもそも担保されている協議であるのか。 2点目として、変更の余地がなくても部会に参加をするのか。また、部会設置が図られる企業団設立準備協議会は、当日、市議会の一般質問が予定されておりますが、参加に関してはどう対応するのかお答えください。 最後に、旧奈良監獄保存活用事業について伺います。 旧奈良監獄保存活用事業に関する記者発表が5月31日に行われ、この日は鴻ノ池運動公園及び旧奈良監獄連携プロジェクトについて、奈良市長、星野リゾート代表、株式会社合人社計画研究所取締役、法務省大臣官房審議官がそろって会見をされました。 本市の今年度予算に、旧奈良監獄周辺エリア活性化事業として1億4168万円が盛り込まれましたが、その財源に国の地方創生拠点整備交付金を2分の1、企業版ふるさと納税を2分の1充当すると説明されています。 この日の会見では、同プロジェクトについて、総事業費約5億2000万円、その中身は運動公園エリアと旧奈良監獄エリアとがあり、それぞれ2億6000万円となる。そのうち令和4年度は両エリア合わせて1億4000万円で、事業費の2分の1は企業版ふるさと納税で、星野リゾートと合人社が寄附を行う。また、運動公園エリアにはスケートボードパーク、ランニングステーション、ランニングコースの整備をすることが当日の配付資料には明示をされています。 そこで伺います。 令和4年度の各エリアの整備内容と予算、寄附企業の詳細、5年度以降の内容についてお聞かせください。 また、旧奈良監獄保存活用事業は、そもそも法務省がPFI事業として行うもので、メインの旧奈良監獄建物の耐震改修や史料館の整備運営をホテル等の附帯事業の収益で全て行うとなっていたはずでありますが、いつから奈良市が旧奈良監獄敷地内の拠点整備を行うことになったのか、また、今後どうするのかについてお答えください。 以上、1問目といたします。 ○副議長(山本憲宥君) 市長。   (市長 仲川元庸君 登壇) ◎市長(仲川元庸君) ただいまの北村議員の御質問にお答えを申し上げます。 まず初めに、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻についての御質問であります。 国連憲章の重要性についてということでありますが、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まって以来、長引く各地での戦闘により民間人を含む多くの貴い命が犠牲になり、また、多くの方々が国外に避難を余儀なくされておられます。 世界の恒久平和を願う非核平和都市宣言の精神に基づき、本年3月には私と市議会議長の連名によりまして、ロシア連邦大統領及び駐日ロシア連邦大使宛てに抗議文も送付をしたところでございました。核兵器の使用も示唆した一連の行為は、国際社会、ひいては我が国の平和と秩序、安全に脅威を与えるものであり、強い憤りを感じます。 これは国連憲章に違反をする行為であり、到底容認できるものでもございません。今こそ平和を取り戻すための行動が求められており、この紛争によって被害を受けた多くの方々に対する支援の輪を広げていくことが重要であると考えております。 また、憲法の専守防衛を堅持することについての考えをということでありますが、憲法の精神にのっとった防衛戦略の姿勢として専守防衛は位置づけられておりますが、いかなる場合であっても戦争は肯定されるものではなく、地方自治体の長といたしましても、市民の平和な暮らし、市民の生命、財産を守っていかなければならないという考えは今後も変わりないものと考えております。 次に、包摂的な平和の枠組みを構築する外交努力こそ重要ではないかという御提言でございます。 御指摘のとおりでありまして、紛争を戦争にしないためには、やはり対話が重要であります。国は国同士の関係において、政治の舞台でそれぞれの責任を果たし、また、我々基礎自治体におきましては、国家間ではなかなか築くことができない都市間のつながり、また市民間のつながり、これをしっかりと築いていくということが重要であり、様々な交流を通して都市の発展と国際平和に積極的に貢献していきたいと考えております。 次に、物価高についての御質問であります。 今回の地方創生臨時交付金につきまして、その詳細な内容をということでございますが、令和4年度に本市が活用できる新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金につきましては、国においては令和4年度に繰り越された約13億6000万円及び4月26日に決定をいたしました国の原油価格・物価高騰等総合緊急対策を受けて追加配分されました約9億6000万円となっておりまして、合わせて約23億2000万円となっております。 この交付金の活用事業といたしましては、当初予算で約10億7000万円を計上いたしておりましたが、今定例会におきまして、新たに約13億3000万円を計上させていただいております。 また、このたび追加配分されました約9億6000万円のうち7億2055万1000円につきましては、コロナ禍における原油価格・物価高騰対応分といたしまして、原油価格・物価高騰等に直面する生活者や事業者の支援に活用するものとされており、本市におきましても物価高騰の影響を受けている市民生活を支援すべく、子育て世帯に対する商品券の配付や全世帯を対象とした生活応援プレミアム付商品券事業に活用していきたいと考えております。 なお、この2事業における事業費超過分及びその他のコロナ対応事業につきましては、いわゆる通常分を活用することを考えております。 次に、生活応援プレミアム付商品券について、販売価格の引下げ、また取扱いができる店舗の対象業種を増やせないかという御提言でございました。 これまでのプレミアム付商品券については、どちらかといえば事業者支援という部分を色濃く打ち出した経済対策の事業として行ってきたところでございますが、今回は特に現下の物価高騰を受けまして、生活費の負担が増える市民生活を応援するということを主眼に置いた政策であると認識をしております。 全ての商品券をあらゆる業種の店舗で利用ができる共通券という形を取らせていただいておりまして、プレミアム率も30%に設定をいたしております。 取扱いの店舗につきましては、これまでもあらゆる業種に参加をしていただけるよう求めてきたところでございますが、今回はさらに多くの業種の事業者の方々に御参加をいただけるように、商工会議所など業種団体などとも連携をしながら、裾野の拡大に努めていきたいというふうに考えております。 続きまして、コロナ対策についてでございます。 第6波の感染拡大と3回目のワクチン接種のスケジュール、タイミングと、この関連性をどのように分析しているかということでございます。 今年の1月から始まりました第6波の感染拡大につきましては、変異株でありますオミクロン株の世界的な流行拡大を受けまして、国内においても感染者が急増し、第5波を大きく上回る感染者が発生をしたところでございました。 この原因といたしましては、オミクロン株自体の感染力や免疫回避能力の高さが影響したというふうに考えており、また、2回目のワクチン接種から一定期間が経過したことにより、ワクチンの効果が低下した方が一定おられたということが一つの要因であると認識をいたしております。 そのため、本年1月6日に行いました新型コロナウイルス対策本部会議におきましては、高齢者等への3回目のワクチン接種の実施スケジュールについては、従来の計画を大幅に前倒しするということを決定し、集団接種会場の設置や追加接種の重要性に関する啓発を繰り返し行うなど、追加接種のさらなる加速に取り組んできたところでございます。 その結果といたしまして、高齢者へのワクチン接種が進むにつれ、徐々に感染者に占める高齢者の比率が低下をしてきたところでございますが、ワクチン接種には感染時の重症化予防効果だけではなくて、感染予防効果についても認められておりますことから、3回目のワクチン接種による効果は、特に第6波の後半においては大きく見られたものと認識をいたしております。 次に、検査体制の強化についての御質問でございます。 国の検査体制強化の通知を受けまして奈良県では、身近な医療機関で診療、検査を受けていただけるよう、帰国者・接触者外来と同様の機能を持つ発熱外来認定医療機関という制度をつくりまして、現時点で県内では413か所、市内では100か所の医療機関が認定をされておりまして、そこで検査をいただいております。 また、福祉施設や医療機関の職員を対象にしたスクリーニング検査についても実施をし、感染者を早期発見することでクラスターの発生予防に努めてきたところでございます。 昨年の12月29日からは、感染に不安を覚える無症状者に対しまして、薬局や医療機関等において無料の検査も実施をされております。市におきましても、福祉施設等で陽性者が出た場合には拡大検査を実施し、感染者の早期発見によるクラスターの防止に努めてきたところでございました。 次に、県立医大が発表いたしました都道府県ごとの保健師数と感染者数の関係についての調査をどのように受け止めるかということであります。 本調査につきましては、県立医大の研究グループがオープンデータを用いて人口当たりの保健師数、これは行政の保健師だけではなくて民間も含めてということでございますけれども、そのようなデータを基にいたしまして、いわゆるコロナの感染拡大の封じ込めにどの程度寄与したかということを整理された調査であると認識をいたしております。 一方で、この結果はあくまでも可能性の示唆ということでありまして、因果関係を厳密に示した調査とまでは至っていないという点、それから、オープンデータの利活用については、特に直近のオミクロン株による第6波の感染状況については反映ができていない点などについては、調査の中でも位置づけられております。 本市といたしましては、特にこの第6波の急激な感染拡大に対応するためには、疫学調査の重点化、絞り込み、また全庁的な応援体制の編成など、随時そのときの状況に応じて迅速な体制強化に取り組んできたところであると認識をいたしております。 今後の第7波の発生を迎えるに当たりましても、その都度適切に対応していかなければならないと認識をいたしております。 続きまして、ジェンダー平等社会の実現に向けてという御質問であります。 男女の賃金格差是正の促進について、まずは女性活躍推進法において、女性に対する採用、昇進等の機会の積極的な提供、またその活用については法律で基本原則を定めているほか、女性の職業選択に資する情報の公表を行うことと規定されております。 今回、新たに男性の賃金水準に対する女性の割合を開示させると方針を示されたことについては、評価できるものと考えております。一方で、男女の賃金の実態をしっかりと把握した上で、これをいかに女性活躍の取組へと発展させていくかという部分が重要だと認識をしております。 男女の賃金格差の要因といたしましては、やはり女性の登用がなかなか進まないという点、また、出産や子育て中の母親が正社員として働きにくいという環境などにも要因があると考えられますが、本市といたしましては、男女共同参画計画の中におきまして、政策・方針決定の場への女性の参画促進、また、女性の活躍に向けた支援などを主要な課題として位置づけておりまして、今後もより一層、女性の活躍推進に努めていきたいと考えております。 次に、子ども医療費の現物給付化の対象年齢拡大についての御質問でございます。 令和2年4月の調査取りまとめによりますと、都道府県の子ども医療費の助成方法といたしまして、現物給付方式を取り入れている自治体については31の府県、償還払いは1県、併用は13都道県、そして助成方法を指定していない自治体が2県ということになっております。また、医療機関を通院で受診された場合に、未就学児までを現物給付方式で助成しているのは28の道府県、小学生以上も対象としているものが13の都府県となっております。 子ども医療費に対する国の制度が確立をしていない中においても、それぞれの都道府県によって主体的に現物給付化を推奨し、対象年齢を引き上げるなどの努力をそれぞれされているものと認識をいたしております。 次に、本市が取り組む現物給付の対象年齢拡大の取組でありますが、これの進捗状況、また開始時期や課題などについての御質問でございます。 子ども医療費の現物給付方式を未就学児以上の年齢に拡大した際には、議員御指摘のとおり、国からの国庫負担金が削減される、いわゆるペナルティーというものがございます。これについては、まずもって、先行して廃止されている未就学児と同様に、このペナルティー制度自体を国において廃止していただくということが最善のものであるということについては、引き続いて国に要望をさせていただいているところでございます。 一方で、ペナルティーが撤廃されていない現状がございますので、この国による制度改正を待つことなく、本市としても独自の取組を進めていくことが重要であるという考えに基づき、現在、国保連及び県と協議を重ねているところでございます。 また、国保連合会や社会保険診療報酬支払基金との間におきましては、この制度を実現するためのシステムの改修に向けまして、現在、事務レベルでの調整を進めさせていただいております。 先ほど申し上げたペナルティーの撤廃に向けたさらなる要望も含めて、課題をしっかりと整理した上で、県下の市町村にも本市の考え方をしっかりと理解していただき、一日も早く実現していきたいというふうに考えております。 続きまして、医療的ケア児についての御質問であります。 ライフステージごとの支援について、フロー図を周知すべきではないかということでありますが、医療的ケア児の支援については、日頃から支援を提供するために庁内の関係各課、また外部機関と情報共有を行い、必要とする支援を担当する部局が中心となり、関係機関を集め、情報の共有、支援方針や支援内容などを検討する体制を取っております。 今後、相談窓口を整理し、議会に提出したフロー図を分かりやすいものに変更し、内容に応じて適切な支援につながるよう、当事者である保護者や病院などに積極的な情報提供をしてまいりたいと考えております。 また、包括的な支援につきましては、ライフステージごとに切れ目のない支援ができるよう、関係部局において連携体制をしっかりと構築し、当事者と御家族が地域において安心して生活ができるよう、現在、その環境を整える取組を進めております。 今後も当事者の方々や関係機関の御意見をお伺いしながら、必要な支援体制をしっかりと構築していきたいというふうに考えております。 次に、加齢性難聴者の方への補聴器の購入補助を考えてはどうかということでございます。 補聴器の役割につきましては、これまでも答弁の中で申し上げてまいりましたが、認知症の予防から介護・医療の費用の低減につながり、健康長寿の延伸に寄与するものと考えてはおります。 そのため、補聴器の購入助成制度については、地域ごとに差が生じることがないように、あくまでも国の制度として統一した取組を確立していただくことを求めていきたいというふうに考えております。 また、国の制度として確立していない状況の中で、本市独自の施策として実施を検討していくに際しましては、やはり高齢化が今後もさらに進展をしていく中では、将来にわたり恒常的な財政負担も伴いますことから、国の動向、また他市の状況などにも注視をしていきたいという立場でございます。 次に、損害賠償金の回収の見込みについてということでございます。 新斎苑の建設に伴う住民訴訟を受けました損害賠償事件についてでありますけれども、この損害賠償金の回収の見込みがどうなっているかということでございますが、本年2月14日付で提訴をいたしております損害賠償請求訴訟において確定判決を得ることで、いわゆる債務名義を獲得することとなります。 これにより強制的な債権回収も可能となりますが、市といたしましては、この訴訟を通じ、元地権者の方と返済に向けた協議が行えると期待をいたしております。 また、回収する手だてにつきましては、提訴から判決の確定までに時間を要しますことから、支払いの意思を示されておられない元地権者に対しましては、その財産を一時的に処分できないようにするために、自宅不動産や新斎苑用地の売買代金の振込先でありました口座を対象に、仮差押えの手続を行わせていただいたところでございます。 また、皆さん気にしていただいております私のこの6月の賞与につきましても、1円残らず市に納めさせていただきたいというふうに考えております。 続きまして、県域水道一体化についての御質問でございますが、協議会に設置される部会に対しまして、覚書、中間報告の内容の変更が担保されているのかどうか、いわゆる形式的な議論だけに終わらないのかという御指摘、御質問かと存じます。 これにつきましては、当初から覚書や中間報告の内容を変更するということを前提に協議を行うということではありませんけれども、やはりこれまでの各市町村の意見、また、それぞれの議会等で積み重ねてこられました様々な議論、また住民のお声などを踏まえた上で、やはりいまだ議論が深まり切っていないという部分については、やはりこの部会の中でしっかりと精査をし、そして熟議を重ねていくということが重要であると考えております。 そういったことで申し上げますと、この熟議を進めていく中において、これまで検討してきた内容やシミュレーション等について、必要に応じて柔軟に見直していくということは、参加をされる関係者の共通の認識であろうというふうに私としては考えております。これが、どのような点をどのように見直す必要があるのか、もしくはないのかということも含めて、この部会の中で議論していくという位置づけだと認識をいたしております。 続きまして、6月6日の協議会については、本市の市議会が開催されているのでどうするのかという御質問でございますが、御案内のように本会議中ということでございますので、企業局で代理の者を立てたいというふうに考えております。 続きまして、旧奈良監獄保存活用事業についてということでございます。 この事業の内容についてということでございますが、今回新たに企業版ふるさと納税と国の拠点整備交付金を活用した取組につきましては、まず、運動公園エリアにおきましては、北の広場におきましてスケートボードパークの整備を行う考えをいたしております。予算につきましては、事業費として5500万円ということを考えております。 それから、旧監獄エリアにつきましては、地産地消レストラン及びイベントスペースなどのいわゆるにぎわい施設を整備するということで、これは合計で約8000万円を考えております。 企業版ふるさと納税を通して御寄附をいただく企業といたしましては、先日発表させていただきましたとおり、星野リゾート様と、それから合人社計画研究所様のこの2社ということになります。この2社の企業版ふるさと納税による寄附額で全体の事業費の半分を賄うという計画となっており、残る半分については、先ほど申し上げました国の拠点整備交付金を活用するというスキームとなってございます。 また、令和5年度以降の整備内容については、ランニングステーション、またランニングコースの整備など、運動公園と旧奈良監獄を一体として、地域のにぎわいにもつながる施設の整備を検討していきたいというふうに考えております。 また、旧奈良監獄保存活用事業につきましては、地域の協力により重要文化財指定が実現したこれまでの経緯などを踏まえて、当初より法務省において、地域との共生、また地域の活性化を念頭に事業を進めてきたという経緯がございます。 その結果、民間活力の活用に際しましては、監獄ホテルと史料館だけではなく、旧奈良監獄敷地内ににぎわいエリアとして、広く地域住民の皆様も御利用いただける、地域活性化に資するエリアを創出する提案が当初から出されていたわけでございます。 本市といたしましては、以前より旧奈良監獄だけではなくて鴻ノ池運動公園を含む周辺地域全体の発展が重要だと考えており、周辺地域内の回遊性を高め、滞在時間の延伸にもつながる具体的な事業スキームを検討しておりました。 そのような中におきまして、今回この企業版ふるさと納税などを活用した、市の財政負担が生じないスキームの中で、この運動公園と旧奈良監獄を一体とした整備を行うことが効果的、効率的にできるということから、今回の取組を決定させていただいたという経緯でございます。 以上でございます。 ○副議長(山本憲宥君) 教育長。   (教育長 北谷雅人君 登壇) ◎教育長(北谷雅人君) 北村議員の御質問にお答えをいたします。 初めに、学校への生理用品の配置についてでございます。 この予算の措置で、市内の小・中学校、高等学校に対してどのような内容、規模で配置できるようになったのかについてでございますが、今回のコロナ禍における生活困窮者への臨時的な本措置につきましては、県立学校を除く市内の全ての小・中学校及び高等学校に通う小学4年生以上の女子児童・生徒約1万2600人を基準に対象者を算出いたしました。 算出方法といたしましては、各学年の人数から既潮率、いわゆる生理のある割合を算出した対象者がおおよそ9,160人となり、その人数に令和3年度奈良市子どもの生活に関するアンケートの調査結果で報告のありました子供の貧困率16.8%を掛け合わせ、おおよそ1,540人が対象となります。 配備する内容といたしましては、生理用品を2種類と生理用ショーツを必要数準備する予定をしております。こうしたことにより、必要とする児童・生徒全てに配付できると考えております。 次に、子供の成長、発達のためにも、包括的性教育を学校教育の中に位置づける取組が求められているということについてでございますが、これまでも学校における児童・生徒への性に関する指導に当たりましては、自他の生命を大切にする心情を育むとともに、性に関する基礎的、基本的な内容を、児童・生徒の実態や課題に応じながら教育活動全般を通して指導してきております。 今後も大切な教育課題の一つとして、ジェンダー平等や性の多様性を含む人権尊重を基盤とした性教育に取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(山本憲宥君) 33番北村君。 ◆33番(北村拓哉君) 2問目以降はこの席より行います。 1点、新型コロナ対策につきまして再質問を行いたいと思います。 総務省が3月29日に自治体に通知をいたしております公立病院経営強化ガイドラインにおきまして、これまでの病院統廃合を軌道修正し、経営強化に重点が移されております。 その中で、この間の新型コロナ感染症の対応に関わる分析がなされておりまして、新ガイドラインの中では、公立病院の果たす役割の重要性が改めて認識されたとか、病院の削減や統廃合ありきではないという点が明記をされております。 質問したいのは市長のほうで、この見直しがなされたという点についての率直な受け止めと、そして、本市でも公的病院がこれまで果たしてこられた役割がありますが、今後の同病院への期待につきまして所見をお聞きしたいと思います。 以上、2問目とします。 ○副議長(山本憲宥君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 総務省が3月末に各自治体に通知をいたしました公立病院経営強化ガイドラインについての評価、認識ということでございます。 このガイドラインにつきましては、公立病院はこれまでも経営形態の見直し、また効率化等により経営状況の改善に取り組んできたところでありますが、人口の減少、また高齢化に伴う医療需要の変化、また医師不足、看護師不足などを受けて、依然として厳しい経営状況の病院が多いという全国的な事情を踏まえて、持続的な地域の医療提供体制を確保する上で、限られた医師などの医療資源を地域全体で最大限効率的に活用するという視点を重視し、公立病院の経営を強化する必要性を示したものであると認識をしております。 特にコロナ対策においては、病床の確保、また患者の受入れなど公立病院の担う役割が大きく、地域における医療提供体制の基幹的な役割として存在をしていることが認識されたと考えております。その意味でも、公立病院の経営力の強化がさらに求められているものと認識をいたしております。 ○副議長(山本憲宥君) 33番北村君。 ◆33番(北村拓哉君) 3問目は主張、要望といたします。 項目ごとで行いたいと思います。 まず、ロシアによるウクライナへの軍事侵略に関してです。 そもそも日本国憲法は、紛争の平和的解決を加盟国に求め、武力行使の禁止を課した国連憲章に結実をしている。平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、憲法9条によって戦力不保持を定めております。それは、侵略戦争を繰り返した国が、国際社会において名誉ある地位を占めるために必要とされたことでありました。 そのように決意をした国が、今戦火にさいなまれているウクライナの人々の平和のうちに生存する権利を取り戻すために今なし得ることは、平和をつくり出す外交を、地方自治体も含めて市民社会の力も発揮をしながら推進していくことであると思います。 憲法は、日本が戦争を繰り返さない歯止めの役割を果たしてまいりました。日本の若者を殺し殺される戦場に送る危険な道を絶対に許さないために、憲法の専守防衛を堅持しなければなりません。 防衛費、軍事費を2倍にする議論がありますが、仮にそうなりますと11兆円以上となりまして、世界第3位の額に達することになります。その財源は消費税増税か、教育・医療の削減か、戦前のような国債による戦費調達か、いずれにしても暮らしが押し潰されかねません。 政治や行政に課せられた最大の使命は、紛争を戦争にしないために知恵と力を尽くすことにあると思います。ぜひその立場から、地方自治体としてできる実践を重ねていただきたいですし、非軍事の人道支援を一層推進していただきますように要望をしておきます。 物価高騰から暮らしと営業を守る対策についてでございます。 答弁のほうで述べていただきましたように、これまでに本市に配分をされた地方創生臨時交付金については、この6月定例会に提案された補正予算によって全額活用されているということで理解をいたしますが、生活応援の商品券のことですけれども、より多くの市民の手にこの商品券が渡るというような明確な答弁がなかったかと思うんですが、販売価格を思い切って引き下げるということや、例えば建設や電気の工事等をはじめとして、対象となる業種を思い切って広げる、ぜひそうした形で、市民にも喜ばれるし業者にも喜ばれる、そうした活用がなされるようにぜひ力を尽くしていただくよう要請をしておきたいと思います。 新型コロナ対策についてであります。 第6波までの対応の検証に関してお聞きをし、答弁がございました。ワクチンの問題や検査の問題等をお聞きしたわけでありますが、第7波に備えて、そうした検証されている内容を、ぜひ病院であったり高齢者施設であったり障害者施設など関係施設のところにお伝えいただいて、また、関係施設の現場でも様々に捉えていらっしゃる思いや意見もありますので、ぜひそれもフィードバックをして、さらに検証を進めていただいて、共有化をしていただきたいというふうに思います。 保健所の専門的機能である感染症に関わる課題の必要性というものが、コロナ感染症も含めて、この数十年で急速に高まっていると思います。感染者の検査や発見をすること、医療機関へあっせんをすること、積極的な疫学調査を進めていくことなどがとりわけ重要になってきております。 その点で、この間、応援の派遣によって保健所の業務を軽減するなどもされてきたり、様々な手だてで保健所職員の緊急増員を図ってこられてきたわけですけれども、今後の感染症に備えていくということをしっかりと捉えるならば、増やした職員を定員化して正規職員の恒常的な増員にぜひつなげていただくことが重要だと考えますので、この点も改めて要望をしておきます。 学校への生理用品の配置についてです。 ぜひ、この実践を進めていく上では、現場の養護教諭の先生方など関係者の皆さんと十分に意思疎通を取りながら、どの児童・生徒にとっても必要なときに利用しやすい環境がつくられるように進めていただきたいと思いますし、児童・生徒にそのことの広報、周知を丁寧に、かつ積極的に行っていただきたいと思います。 そして、これを一つのきっかけとして、性に関する知識や理解を学び、深めることとともに、子供の年齢、発達に即した科学的な包括的性教育を導入して、ぜひ教育の課題として位置づけて取り組んでいただきますことも要望をしておきます。 子ども医療費の現物給付の対象年齢の拡大に関してです。 奈良市独自の現物給付の対象年齢拡大の課題に向けまして、現在の動き等について確認をさせていただきました。 また、今回、都道府県の子ども医療費助成制度についてもお聞きをいたしましたけれども、例えば、全国的に現物給付が大勢を占めるようになっていること等も分かりました。したがって、この問題を考えるときには、県制度の動きも見逃せないというふうにも思います。 本来は国の制度として確立されるべきものであるというのは同様に思いますけれども、その点では、市民の皆さんも様々な運動を通して、国にも制度実現の要望を継続してされております。 ぜひ、国の制度化につなげていくためにも、市民の切実な願いに応えて地方自治体が動き出して、独自に助成する今の流れを一層広げて、加速をさせていただきたいということです。 奈良市は対象年齢拡大でも県下で先駆けて動いて拡充を切り開いてまいりましたし、現物給付の拡充でもぜひ大きな役割を果たしていただくことを要望しておきます。 医療的ケア児支援の問題です。 フロー図については、改良して情報提供に積極的に活用するとの答弁がございましたので、ぜひよろしくお願いをしたいと思います。 それから、支援の担当部署の設置の問題ですけれども、御答弁では、保護者であったり関係機関から意見を聞く中で必要な支援体制を構築したいという内容であったと思います。 ぜひ、お述べいただいたとおり、保護者の皆さんや関係機関の方からよく実情を聞き取っていただいて、当事者の方がたらい回しにされるような現状が今なくはないので、ぜひそれを改善し、支援全体の流れを把握した担当部署、担当者、窓口をつくって対応がなされるように改善をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。 加齢性難聴者の補聴器購入の奈良市独自の助成の問題です。 この課題につきましては、奈良市独自の施策の実施をどう進めていくのかという点では明確な言及がなかったというふうに思いました。 その点では、先ほど御答弁にもありましたが、子ども医療費助成の問題では、これは国の制度が今現状なくても奈良市独自に実施をしていくんだと大変積極的でありますのに、一方で、高齢者施策ではそうではないという点で、その落差を感じざるを得ません。 この要求実現に取り組んでおられます中央社会保障推進協議会という団体がありますけれども、その調査では今年4月8日現在、全国で58市町村が何らかの助成をされているということです。今年4月からは、政令市で初めて相模原市で助成制度がスタートをいたしました。 大体、助成されている自治体の予算額というのは数百万円程度というところが多くて、100万円以下というところもあったりもします。ですので、これは予算額も大事なんですけれども、実現に向けた基本的な姿勢というものが一層大事になると私は思います。 ぜひ今年度、実現に向けて議論もし、調査研究もし、本格的な検討に着手していただいて、来年度予算には反映、制度化をされますように要望をしておきます。 県域水道一体化について述べたいと思います。 一部の首長で構成する協議会の部会につきまして、覚書や中間報告の内容がそもそも担保されているのかどうかという点をお聞きしたわけです。 その点につきましては、変更ありきというものではないんだという、そもそもそういうことも言いながら、議論が深まっていく中で、熟議を重ねていく中で、必要に応じて柔軟に、必要であれば見直しもされるだろうし、されなければされないというようなことをおっしゃっていたかと思うんです。 それで、私はこれまでの経緯から見まして、その内容変更が担保されるというのはなかなか難しいというか、懐疑的な見方というのも率直に言ってございます。 部会にどういうデータが、あるいは情報が示されるのかということもポイントになるというふうにも思いますし、市長からすれば他の首長との関係ということもあるのかなとも思うんですけれども、いずれにしても、縛られる約束などをそこでは行わずに、奈良市が設置した懇談会に得られた情報をフィードバックして、あくまでも懇談会の検討、分析に生かすという立場で進めていただくことが最低限要るんじゃないかなというふうに思います。 最後に、旧奈良監獄保存活用事業につきまして述べます。 鴻ノ池運動公園及び旧奈良監獄連携プロジェクトの令和4年度事業の中身について、今回、恐らく議会で一定踏み込んだ説明が初めてされたのかなというふうにも思います。 同事業の整備に要する総額が約5億2000万円、その財源には国の地域再生計画認定拠点整備交付金を活用するスキームということなので、この前の記者会見で配付された資料も見せてもらいましたけれども、そこには毎年度国の認定が必要となるということも書かれておりました。 令和5年度以降の内容については、はっきりしないと。国の認定が下りるのかどうかも現時点では分からないし、企業版ふるさと納税が5年度以降も確保できているのかという点もよく分からないというのが率直な印象です。 先日、5月28日に、旧奈良監獄保存活用事業に関して近隣住民の会というものがありまして、その説明会のほうに私も参加をさせていただきました。事業を進めるSPC、旧奈良監獄保存活用株式会社の代表企業である星野リゾートなどから事業の進捗、道路や駐車場の新設計画などの説明がございましたけれども、ここでも未定という部分が大変多くて、具体性に欠ける印象を持ちました。 ましてや、ホテル外来エリア、史料館などの奈良監獄保存活用事業の中身については、今年9月に実施設計を完了する、全館のオープンは令和6年度予定と、そう言うだけで、基本的なコンセプトや計画の説明も全くありませんし、検討中、未定ですと、こうしたことばかりでありました。 旧奈良監獄保存活用事業は、御承知のとおりこれまでに一旦事業が行き詰まり、SPCの代表企業が変更される状況を余儀なくされてきた経緯がありますけれども、その後、SPCの構成企業自体もどうなっているのかよく分かりません。 重要文化財指定された赤れんが建物の耐震改修や史料館整備に一体どれだけの費用がかかるのかと。それをホテル等の附帯事業の収益で賄うとなっているわけですけれども、各附帯事業でどれだけの金額の収益を見込んでいるのか、計画全体の予算が示されていないというのが現時点ですので、これらが早く明らかにされるべきだと考えます。 それから、法務省のほうに直接確認をしてみますと、例えば重要文化財指定をされた赤れんが建物のうち周囲にある外壁、これは耐震改修工事は行わないという説明を受けております。なぜかというと、そのための費用がないからだとの説明を受けました。 しかし、その外壁の出入口を通って敷地の内外を人々が往来するということですので、大変危険でもありまして、果たしてそれでいいのかなというふうに率直に思いました。 それから、奈良市も事業に連携するという点は当初から確認をされていましたが、旧奈良監獄敷地内の旧奈良監獄保存活用事業自体に奈良市が今の説明では組み込まれているというふうに理解できますけれども、その収益を上げることに奈良市も責任を負わされることになるのではないかとか、例えば奈良市が主体となって敷地内で整備をした事業が赤字になった場合、誰が責任を持つのかとか、様々な問題も出てくるのではないかなというふうに思います。 そもそも、この旧奈良監獄、旧奈良少年刑務所の建物は、地域の方々や宝に思う会など関係者の皆さんの御尽力もあって重要文化財指定、保存活用が実現をしたものでございます。ですので、そうした皆さんの意見等もよく聞いて進めるということは当然必要な態度であると思います。 そのこととともに、旧奈良監獄保存活用事業全体の基本的なコンセプトや計画をぜひ速やかに明らかにしていただきたい。速やかに示していただけるように奈良市のほうからも法務省やSPCのほうに強く働きかけていただきたいと思いますので、この点、最後に要望いたしまして、質問といたします。ありがとうございました。 ○副議長(山本憲宥君) 19番阪本君。   (19番 阪本美知子君 登壇) ◆19番(阪本美知子君) 明日の奈良を創る会の阪本です。 会派を代表しまして、通告をしております数点について質問をいたします。 初めに、物価高騰による市民生活圧迫への対策についてです。 円安とウクライナの情勢を原因として小麦や石油が値上がりし、電気、ガスほか、あらゆる物価に影響を与えております。この4月現在で消費者物価指数が2.5%上昇し、6月からも食料品、日用品の値上げが始まっております。 政府はこれまで物価上昇の政策を取ってきましたが、今回は賃金が上がらない中での物価高騰であり、コロナの影響が2年以上続いた中で、市民の生活に大きな打撃を与えております。 今回の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用した補正予算では、物価高騰に対する対応として、1万円のプレミアム付商品券の販売、子育て世帯への商品券配付、学校への生理用品の配置が市独自の対策として上げられております。 物価の高騰により、広く市民生活が圧迫されていることに対して、市としてどのように議論を行ったのか、なぜこの3つの事業が選定されたのか、その政策決定のプロセスについてお聞かせください。 2点目、県域水道一体化について、企業局長にお伺いをいたします。 県域水道一体化は、水道施設の老朽化、人口減少に対して経営の効率化を図るために有効な手段だとして提起がされております。 奈良市は、木津川から取水して水道事業を開始してから今年でちょうど100年を迎えています。奈良市民が向こう100年も引き続き安心して水道の水を飲めるようにするために、その在り方について十分な議論を行っていきたいと考えております。 今年2月17日の県域水道一体化の協議会では、企業団に参加したほうが本市の将来の水道料金は安く抑えられるという財政シミュレーションが示されました。また、今後のスケジュールとして、本年11月には基本計画案と基本協定案が作成され、それに基づいて、令和4年度末には関係団体全ての議会の議決を経て法定協議会を設立することとされております。 本市は現在、企業団への参加表明を留保し、県が出した財政シミュレーションを検証するとして、第1回懇談会を5月20日に開催し、有識者の意見を聴取するなど慎重な対応をしております。このように本市は現在、慎重に水道一体化の協議を進めようとしておりますけれども、協議を進める上で、本市として今何が課題となっているのでしょうか、お伺いをいたします。 続いて、新型コロナウイルス感染症対策についてです。 1月初旬から始まった第6波においては、オミクロン株の急激な感染拡大によって感染者が連日過去最多を記録し、奈良市では2月14日から21日の週でピークを迎えました。医療提供体制が逼迫し、自宅療養を余儀なくされる感染者が増え、障害者施設、高齢者施設におけるクラスター発生が続きました。 また、市民の方からは、自宅療養が困難な人が宿泊療養を希望してもなかなか入れなかった、あるいは、子供さんの発熱で受診できる病院がなかなか見つからず困った、無料のPCR検査場所が人数制限ですぐに受けられなかった等々の状況をお聞きいたしました。 大変な状況の中、業務に尽力された医療従事者や保健所関係者の皆様に感謝の意を表すとともに、第6波の経験から教訓を導いていくためにも、第6波を振り返って、どのような状況であったのかお聞かせください。 また、ゴールデンウイークを過ぎて、心配されていたリバウンドは見られなかったものの、まだまだ高い水準で感染者が続いており、第6波が完全に収束したわけではありません。コロナ禍も3年目となり、これまでも感染の拡大と収束を繰り返してまいりましたが、新しい変異株の出現と感染の再拡大がいつ起こっても不思議ではない状況が続いております。 今後想定される第7波へどのように備えていくのか、今後の対策についてお聞かせください。 続いて、子供政策の推進についてお聞きをいたします。 近年、少子化、核家族化の進行、就労環境の変化等、子供と家庭を取り巻く環境は大きく変化をしており、子育てを社会全体で支援していくことが必要になっています。 これまでも少子化対策として様々な取組が行われてきたにもかかわらず、令和2年の出生数は全国で84万人と過去最少となり、少子化になかなか歯止めがかかっておりません。 奈良市においても、平成23年の出生数2,691人に対して令和2年2,057人と、ここ10年で2割以上が減少しております。 また、一方で、児童虐待の対応件数、いじめ・不登校の件数の増加、10代の自殺者も増えているという、子供を取り巻く状況はますます深刻になっていると言えます。 そこで、こういった子供を取り巻く状況を踏まえ、これからの子供政策の推進についてお伺いをいたします。 1点目、内閣府の調査では、理想の子供数を持たない理由の一番は、子育てや教育にお金がかかることが約6割と圧倒的に高くなっています。奈良市が今後、少子化に歯止めをかけ、子育てしやすいまちとして選ばれるために、子供政策の推進をどのように図っていくのかお聞かせください。 特に、子育てや教育にお金がかかることに対して、経済的負担の軽減を低所得者層に限らず中間層を視野に入れて、所得制限なしで推進することが必要ではないかと考えておりますが、市長の見解をお聞きいたします。 2点目、幼保再編計画についてです。 幼保再編計画は平成25年から始まり、過小規模の幼稚園の閉園、幼稚園と保育園の統合、こども園化、民間委託化が進められてきました。その結果、今、公立では18のこども園、4つの保育園、13の幼稚園となっています。 1つ目には、これらの取組の結果、4月1日現在の待機児童数はどのようになったかお答えください。 2つ目、この4月から大宮保育園、春日保育園が民営化されました。公立の保育園、こども園の役割と必要性についてどのようにお考えか、改めてお聞きをしたいと思います。そして、今後の幼保再編計画の中で、公立園を拠点として残していく必要があると考えますが、市長の所見をお伺いいたします。 3点目、保育士不足に対応する、働く環境改善についてです。 今年の3月末に公立園で働く保育教育士で退職をした人は、定年退職7人、定年前退職7人とお聞きをいたしました。また、任期付職員、再任用職員を合わせると、37人もの保育教育士が退職しているのが現状です。 退職をする理由は、介護などもありますが、コロナ対応も加わった公立保育所の働く環境の厳しさがあるのではないかと思っております。 特に1歳児保育の6対1という配置基準は、奈良県内の市レベルでは奈良市だけと聞いております。保育士不足の折に、せっかく確保した保育士を離職させないために、どのように働く環境を改善していくのか、今後の取組についてお伺いします。 続いて、子どもセンター、特に児童相談所と一時保護所の運営状況についてお伺いをいたします。 令和2年度に児童相談所に寄せられた相談件数は全国で20万件を超え、10年前の4倍弱となっております。 子供を守る最後のとりでとして、奈良市の児童相談所が4月から開設されました。そこに寄せられる期待、求められる役割は非常に大きいものがあると思っております。 まず1点目にお聞きをいたします。 構想から6年、準備室設置から5年、市長の強い思いがあって、中核市として4番目に児童相談所が開設されました。このことを市長としてどのように受け止めておられるか、思いをお聞かせください。 2点目、先ほども全国的に児童相談所への相談件数が年々増加していることをお話ししましたが、奈良市の児童相談所が4月開所以降受け付けた相談件数と内訳についてお聞きをいたします。 3点目、開設当初の様々な混乱を予想して、法律で決まっている以上の手厚い配置人数で臨むということを昨年9月議会で市長自身の口から表明していただきました。実際、4月以降、どのような人員体制でスタートをしたのかお聞かせください。 4点目、児相、一時保護所の職員の皆さんは、その仕事内容から絶えず緊張を強いられていると思います。また、一たび重大な事態が発生をすれば、社会的な非難を浴びることもあります。日々、目の前の子供さんへの支援には切りがなく、開所以来、恒常的な超過勤務が続いていると聞いております。 始まったばかりですが、今後、職員の皆さんが疲弊することのないよう、よりよい運営体制に向けてどのように取り組んでいくのかお聞かせください。 最後に、いじめ防止対策について、教育長にお伺いをいたします。 北海道旭川市の女子中学生が壮絶ないじめを受けて昨年3月に亡くなった事件に対して、旭川市教育委員会の第三者委員会が、1年たってようやく上級生らのいじめがあったと認めたということが最近、5月に報道されました。 本人や家族から何度も相談があり、救える場面が何度かあったにもかかわらず見過ごされてきたことを残念に思うとともに、これを放置し、いじめと認定してこなかった学校や教育委員会の責任は重大であると感じております。 翻って、奈良市はどうなのでしょうか。令和2年度における奈良市立学校のいじめの認知件数は698件となり、令和元年度と比較して196件減少していると昨年の観光文教委員会で報告をされております。 いじめの認知件数が減少していることに対して、どのように評価をしているのかお聞かせください。 2点目、奈良市では現在、いじめ防止基本方針の見直しを行っているというふうに聞いております。その経緯と改定の趣旨についてお聞かせください。 以上を1問目といたします。 ○副議長(山本憲宥君) 市長。   (市長 仲川元庸君 登壇) ◎市長(仲川元庸君) ただいまの阪本議員の御質問にお答え申し上げます。 まず初めに、物価高騰による市民生活圧迫への対策についてということで御質問をいただきました。 新型コロナウイルスの感染状況については、連休明けからの感染拡大を当初は懸念いたしておりましたが、現時点におきましては、医療提供体制に大きな負荷となるような急増には至っていない状況がございます。 このような状況において、感染拡大の防止と社会経済活動の両立を目指していこうとしているさなかに、ロシアによるウクライナ侵攻なども契機といたしまして、原油価格の高騰、また様々な物価の高騰が重なっているということがあり、これらが相乗的に市民生活に大きな影響を与えていると考えております。 このため、真に生活に困っておられる方々を支援するとともに、地域経済を支えていくことにもつながる施策の検討を各部局で行わせていただき、その中から、財政部局や政策部局も交えた中で政策の選定をさせていただいております。 価格高騰の影響については、全市民に及ぶものでございますが、その中でも特に消費性向の高い子育て家庭の家計にはより大きな影響が及んでいると考えたことから、全世帯を対象にした取組と別に、子育て世帯には追加的に商品券の配付を行うという方針を決定させていただきました。 さらに、長引くコロナ禍の影響を顕著に受ける生活困窮世帯の児童・生徒を支援するためには、市内の学校に生理用品の配付も行うという方向性を定めたという経緯でございます。 続きまして、第6波のこれまでの状況と今後の対策についてということでございます。 これまでの状況といたしましては、第6波は感染力の強いオミクロン株の影響により、過去に類を見ない感染の急拡大、また大変大きな規模となりました。デルタ株によります第5波におきましては、昨年の7月26日から9月26日までの2か月間で新規陽性者数は1,912名、死亡者数は4名でございましたが、第6波につきましては、入り口であります本年1月5日から5月31日までで見てまいりますと、新規の感染者数としては2万569名、死亡者数は75名ということで、大変規模の大きなものとなりました。 オミクロン株につきましては、感染力が強く、また潜伏期間が短いという特性があり、急激な感染拡大が特徴でございましたが、これらに迅速に対応できるかどうかということが大きな課題でありました。 これにつきましては、保健所を持つ中核市として国の動向に先行して、感染状況をしっかりと踏まえた疫学調査、また検査の重点化を行い、全庁的な応援体制の下で、陽性者への対応に遅れが生じないよう取り組んできたところでございます。 さらに、自宅療養者に対する支援につきましても、食料品を支援するサポートパックの発送、またパルスオキシメーターの貸与、また医師会と連携したフォローアップセンターの設置など、急増する自宅療養者の支援を強化したほか、福祉施設等で集団感染が多発をした際には、福祉部内にクラスター対策チームを編成し、早期の対応に力を注いでまいりました。 感染の再拡大が懸念をされていたゴールデンウイーク以降についても、現在、急激な増加は見られず、リバウンド注意報につきましても解除をすることができるまでに至っております。 今後につきましては、再拡大の防止に向けまして、重症化リスクの抑制に効果的なワクチン接種の推進、また、熱中症対策との両立も踏まえた基本的な感染対策の啓発を継続させていただいております。 今後の第7波への備えにつきましては、より感染力の強い変異株の出現も想定されることから、さらなる感染拡大も想定し、感染状況や変異株の特性に応じ、随時、迅速な対応ができるよう備えておく必要があると考えております。 これまで2年間に及ぶ感染の拡大と収束を乗り切ってきた経験をしっかりと生かして、また、保健所の体制についても随時体制を充実させるなど、しっかりとした体制で臨んでいくとともに、自宅療養者へのきめ細かな福祉的なサポートも含めて取組をしていきたいというふうに考えております。 次に、少子化対策についての御質問でありますが、国際的に見て我が国の教育への公的支出は低い水準にあり、経済的な不安が要因となり、子供を産み育てることを諦めることがないよう、子育て世帯への手厚い支援や環境整備が必要であると考えております。 また、全ての子供たちが居住地に関係なく子育て支援を受けられるためには、やはり国としての制度、また予算が大前提であると考えておりますので、これにつきましては今後も引き続き国の動向に期待をしたいというふうに考えております。 本市といたしましては、限られた資源、財源にどのように優先順位をつけるかという問題については常に悩ましい問題でございますけれども、特にコロナ禍が長引く現状の中で、独り親世帯など経済的に大きな影響を受けておられる方々への支援をこれまでは優先してきたところでございます。 また、他の自治体でも、状況に応じ様々な取組が行われていると認識をいたしておりますが、本市では、少子化対策の一環としては待機児童の解消をこれまで喫緊の課題とし、また、量の問題だけではなく質的な向上という意味では、手ぶら登園の実施など、保護者や子供たちのニーズに沿った細やかな支援を行うことを進めてまいりました。 また、本年4月には、中核市で4例目となる児童相談所を開設するなど、全庁横断的に切れ目のない子育て支援に取り組んできたところでございます。 また、現在取り組んでいるチャレンジといたしましては、医療費の現物給付化の対象年齢の拡大というものがございますが、こちらも、これまで質問もございましたが、引き続き早期の実現に向け努力をしていきたいと考えております。 本市には豊かな自然環境や文化、また静かな住環境があり、子育てしやすい環境が整っており、昨年の日経新聞の調査でも、共働き子育てしやすい街ランキングで関西で第2位という評価をいただいており、近年は特に子育て世帯の転入が超過傾向になるなど、喜ばしい状況にもございます。 今後は、近隣の自治体ともしっかりと連携をし、子供を持ちたいと思われる方がしっかりと子育てをしていける社会環境を構築することが必要であると考えております。 また、幼保再編の取組による待機児童の現状についてという御質問につきましては、各年度4月1日を基準といたしますと、平成30年度につきましては76名、令和元年度では69名、令和2年度では33名、令和3年度では22名、今年度につきましては8名というふうに、順次減少している状況にございます。 次に、公立園の役割や必要性についてどのように考えているかという御質問でございます。 本市には、本年4月現在では、公立の保育所、こども園が21園、民間の保育所、小規模保育事業所、こども園が51園ございまして、合わせて約7,600名の子供たちが育っております。 幼児教育につきましては、やはり人格形成の基礎が培われる極めて重要な時期だと考えており、公立・私立問わず、どの園においても熱意を持って子供たちの育成に取り組んでいただいているものと考えております。 特に子供の教育・保育環境については、公・私立の差異は基本的にはないものと考えておりますが、あえて公立の役割ということで申し上げれば、子供たちの一人一人の育ちに応じた教育・保育のカリキュラムでございますバンビーノ・プランのように、本市が目指す教育や保育の方向性を定めるに際しましては、やはり自らが当事者として実践し、検証をすることも重要であると考えておりますので、幼児教育の計画の立案、またその実行の状況を把握するための園をどの程度存続させていくべきかどうかということについては、今後検討していきたいというふうに考えております。 次に、保育士不足に対応する、働く環境の改善についてということでございますが、議員お述べのとおり、例年、定年退職者に加えまして、家庭の事情等により早期に退職する職員がいるほか、これまで公立園に勤務をしていた職員が民営化に伴い運営事業者に転籍をするなどによりまして、市の保育教育士が減少している状況にございます。 現在、幼保再編を進める中で、公立園に保育教育士を効率的に再配置いたしておりますが、各園とも余裕がある状況にはなく、人材の確保や職員の処遇改善の必要性を認識しております。 本市といたしましては、昨年度から始まりました、国が主導する保育教育士の処遇改善に加えまして、保育現場における職員の負担軽減を目的としたICTの導入など、公立園だけではなくて民間園も含めて取組を進めております。今後も引き続き、きめ細やかな対応により保育教育士の負担軽減、また人材確保に努めていきたいと考えております。 続きまして、子どもセンターについての御質問でございます。 中核市として4例目の児童相談所を設置したことを受けまして、どのような思いであるかということでございます。 本市が取り扱っております児童虐待の相談対応件数につきましては、2010年度の277件と比較をいたしますと、2021年度では約4倍に相当する1,096件となってございます。非常に毎年右肩上がりで増加をしているという状況があり、子供を取り巻く家庭環境、また、虐待に至る要因も複雑・多様化しており、大変重要な問題であると認識をいたしております。 そのような中におきまして、やはり児童相談所を設置することで、子供たちの命とそして人権、そして将来を守るということを、強い思いを持ちまして、5年間の準備期間を経てこのたび開設に至ったところでございます。 本市のような中核市がこれから全国で児童相談所を自ら運営していくということは、妊娠期から社会的養護の自立支援まで、子供の成長に伴うあらゆるステージで発生をする課題に速やかに、かつ丁寧に対応することができますので、ワンストップで切れ目のない継続的な支援を行う上で、大変強みのある取組だと考えております。 今後、児童相談所の開設を一つのきっかけとして取組をさらに強めていくためには、常に関係機関とも連携を深め、子供たちの最善の利益のために引き続き邁進、努力をしてまいりたいと考えております。 続きまして、この4月に入りましてから児童相談所が対応した相談件数ということでございますが、まず、療育手帳の判定を含む障害の相談が68件、それから非行ケースを含みます警察署からの文書通告が19件でございました。また、4月に受け付けました児童虐待の通告相談件数は107件でございまして、そのうち児童相談所が対応したものについては35件でございました。また、一時保護をした件数については、5月の末日までで10件となっております。 次に、人員体制でございますけれども、本市の児童相談所におきましては、国の示す配置基準以上には職員を配置させていただいております。児童福祉司、児童心理司、医師、弁護士、警察OB等、また、他の児童相談所での勤務経験のある経験者を中心に、機動力がある即戦力を中心に人員配置をいたしております。 一方で、さらに充実した体制を整えるために、今後、職員のさらなる増員についても現在検討を進めております。 次に、児童相談所のよりよい運営体制についてという御質問でございます。 児童相談所の業務は、日中を問わず夜間、また休日についても休むことなく事案が発生をいたします。また、幅広い相談の内容に対応していくためには、高い専門性や分野をまたぐ柔軟性も求められることから、職員の心身ともに与える負担は大変大きいものがあると認識をいたしております。職員自身がワーク・ライフ・バランスを保ちながら、仕事への充実感も感じられるようなサポートが必要であると認識をしております。 また、全ての職員が経験者から助言を受けられる体制を整えるとともに、チームで業務を進めていける職員相互のサポート体制の構築など、組織としての体制づくりも重要だと認識をしております。 また、職員自らが行うセルフケアと管理職が行うラインケアを含むメンタルヘルスの職場内研修を実施するとともに、センターに配置をいたしております医師、弁護士、保健師などを含む管理職による職員のサポートチームをつくらせていただきまして、面接などで職員との対話を通した業務の改善、またメンタルヘルスケアを実施し、職員の心身の健康保持・増進とサポート体制の構築に努めてまいります。 また、職員の体制が業務量に比べて適切であるかという検討も引き続き行っていきたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○副議長(山本憲宥君) 企業局長。   (企業局長 池田 修君 登壇) ◎企業局長(池田修君) 県域水道一体化の問題についてお答えいたします。 一体化協議を進める上で、本市として今何が課題なのかという御質問でございました。 課題としては多数あるわけですけれども、重要なものを2つほど挙げますと、まずは料金水準と投資水準のバランスをどうするかという問題であります。投資をやり過ぎると料金が高くなるという問題ですので、これをどうするかというのが一つの課題です。 もう一つは、下水道事業の取扱いでございます。 下水道事業は、現在、奈良市企業局では上下一体的に経営をして、共同のセクションをつくってありましてやっているわけですが、この下水道事業はそういう体制により経営効率化を実現しております。令和2年度決算では初めて黒字に転換し、3年度は債務超過を解消し、あと二、三年たてば累積赤字も一掃できると、こういう状況にあるんですけれども、これが一体化によって上下が別々の組織で経営されることになるということについて、何とかそうならないようにするにはどうしたらいいかと、そういう課題を持っております。 それで、それらの問題の方向性を見定めた上で、奈良市民にメリットがあれば参加し、なければ参加を見送ると、こういうことになると思います。 以上でございます。 ○副議長(山本憲宥君) 教育長。   (教育長 北谷雅人君 登壇) ◎教育長(北谷雅人君) 阪本議員の御質問にお答えいたします。 初めに、市教育委員会としてのいじめ認知の捉え方についてでございますが、令和2年度の本市のいじめ認知件数が令和元年度より減少したことにつきましては、新型コロナウイルス感染防止対策として令和2年3月から5月まで学校が臨時休業になったことや、6月に学校が再開した後も、他者との接触や学校行事など様々な活動が制限されたことなどにより子供同士が関わる機会が減少したことなど、コロナ禍の状況が少なからず影響しているものと考えられています。 いじめの認知件数は、いじめが発生した件数ではなく、学校がいじめと捉えて対応した件数でありますことから、いじめの認知件数が増加することは、各学校がいじめ防止対策推進法の趣旨にのっとり、初期段階のものも含めて積極的に認知した結果であると認識をしているところでございます。 次に、奈良市いじめ防止基本方針改定の経緯とその趣旨についてでございます。 本基本方針には必要に応じて見直しを検討する旨が示されており、施行後4年間の社会状況の変化や様々な成果と課題を踏まえて、見直しを行うことといたしました。 本市の特色ある取組として、学校長経験者を中心とした学校支援コーディネーターが全ての市立学校を毎月訪問し、法の趣旨を踏まえた適切な対応への指導、助言を行っているところでございます。 しかしながら、校内での情報共有や組織的な対応が不十分であったことから、いじめの解消までに時間を要したり、対応に苦慮したケースも報告されております。 このことから、今回の改定では、特にいじめの認知に関する考え方や学校のいじめ対策組織の役割、いじめの解消の定義、そして重大事態への対処に関する内容をより詳細かつ具体的に記載する方向で検討を進めているところでございます。 本市といたしましては、いじめはどの学校でもどの子供にも起こり得るという認識の下、引き続きいじめの見逃しが起こることがないよう、組織的に対応の徹底に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(山本憲宥君) 19番阪本君。 ◆19番(阪本美知子君) 2問目はこの質問席より、県域水道一体化について、再度、企業局長に質問をさせていただきます。 我が会派、明日の奈良を創る会では、令和3年度、今年の1月ですけれども、既に広域化を先進的に進めている香川県と広島県の水道担当者に直接聞き取りを行いました。 香川県では、平成30年4月に16市町と県で事業統合し、企業団を設立しましたが、料金統一は事業開始10年後をめどに予定をしております。現在は5つのブロック統括センターを編成し、関係団体ごとにそれぞれ異なっていた事務処理等を段階的に調整しています。 また、広島県では、基本協定に合意した15市町のみと県で、令和4年11月に企業団を設立する予定で進んでおりますが、こちらは水道料金のみならず、事業認可の統合も先送りにしています。 一方、奈良県におきましては、令和3年1月25日に締結をしました水道事業等の統合に関する覚書において、27もの市町村と県が、令和7年度に事業認可と水道料金を同時に統一する枠組みとなっています。これは、さきに述べました香川県、広島県の例と比べても非常にハードルが高いものと思われます。 もし覚書どおりの内容を現実的に実現するのが難しいのであれば、例えば北和、中和、南和とエリアごとに分けて広域化を進めることであるとか、施設や業務の共同化から始めて段階的に広域化を進めるなど、スキームの見直しを図ることも検討すべきではないかと考えますが、見解をお示しください。 ○副議長(山本憲宥君) 企業局長。 ◎企業局長(池田修君) スキームの見直しについての御質問です。 令和3年1月に水道事業等の統合に関する覚書というものを締結しましたが、その内容は、水道事業の統合に向けての協議検討を進めるということになっており、協議検討した後に各市町村がどのように判断するかを束縛するというものではありません。 そのため、本市はこれまで各関係団体が合意した覚書の各事項に沿って協議し、企業団に入るか否かの検討をしてきました。現在は、令和4年2月の協議会で県が示したスキーム、方向性について検証しており、まずはその案に対して結論を表明することが第一義であると考えております。 御指摘の、別の新しい枠組みで企業団を設立すべきかどうかにつきましては、他の関係団体の意向もありますので、本市だけでなく協議会の総意として判断していくべきものであると考えております。 以上です。 ○副議長(山本憲宥君) 19番阪本君。 ◆19番(阪本美知子君) 3問目は意見、要望といたします。 少し順番を変えてさせていただきます。 初めに、物価高騰による市民生活圧迫への対策についてです。 市として政策決定を行う議論のプロセスをお聞きいたしました。 対策をするためには、現状への認識が基本であります。コロナ禍に加え、物価高騰で市民と事業者が広く疲弊しております。また、今、日本は中間層が減少し、格差が拡大をしている、そういった状況に対して、効果ある対策をどのように進めるのかが問われました。 プレミアム付商品券は、購入する余裕がない世帯はその恩恵を受けられず、逆に格差が拡大する懸念もあります。子育て世帯への商品券配付は、親の所得によって線引きをされ、子供に対しては平等ではないという一面があります。今後に向けては、子育て世帯だけではなく高齢者世帯への配慮、さらには全世帯に恩恵が行き渡る対策も含め、深い洞察の上、賢明な政策判断をお願いしたいと思います。 また、コロナ対応地方創生臨時交付金を使ったこれまでの事業でどういう効果が上がっているのかの検証を行うべきだということも、併せて意見として申し上げます。 2つ目に、新型コロナウイルス感染症対策についてです。 第6波の状況を感染者数と死者数からお聞きいたしました。5月31日現在の感染者数は2万5159例でしたので、第6波の感染者数2万569人と比べますと、全体の8割をこの第6波の感染者が占めていたということに大変驚いております。オミクロン株がいかに感染力が強かったかということが分かります。 死者数については、ワクチン接種によって重症化しにくいと言われてきましたけれども、第6波で死者数が増大したことは全国的な傾向であります。奈良市においても、この第6波で死者数全体の6割近い75人の方が亡くなっていることに対して、どこに課題があったのか、これはぜひ一人一人について検証していただきたい。そのことが次への対策につながっていくものと考えております。 また、5月16日には県立医大の研究グループによって、人口当たりの保健師数が多い都道府県ほどコロナに感染する人の割合が低いという分析結果が発表されました。保健師の人数がポイントだということを踏まえて、次に備えて保健所体制の強化、拡充を図っていただくよう要望いたします。 また、市民の方からは、気になったときにいつでも検査できる体制の整備を求める声もいただきました。併せて要望いたします。 コロナの先の見通しは不透明であり、今後もあらゆる事態を想定して対策を進めていただくよう要望をいたします。 次に、子供政策についてです。 子育て支援につきましては、低所得者層への支援に限らず、中間層も含めた支援を考えていく必要があると思っております。理由は、子育て支援は子供に対する支援だと考えるわけです。それは、親の所得で線引きをしない、全ての子供に平等な支援が必要だからです。 所得制限を設けない子供政策の推進が少子化対策に大変効果があるというこの認識が、少しずつ各自治体に広がっております。この点はしっかり押さえていただいて、今後、子供政策を推進していただきたいと思っております。 国のほうで今回、子育て支援に関する予算を倍増するという方針がようやく出てきまして、私も期待をしているところであります。 続いて、公立の役割は何かということをお聞きいたしました。これには残念ながら消極的なお答えでした。 今、保育所、こども園は公立も私立も一緒になって運営している、それはもちろんそのとおりです。振り返ってみますと、戦後の福祉行政は全て国と地方自治体が前面に出て担われてきました。保育に関しても、公立保育所が直接保育を行って公的責任を果たしてきました。そして、この間の社会の変化に対応して、障害児保育、これは今、支援を要する子への保育というふうに言われておりますけれども、同和保育などを含めて、公立保育所が保育を行ってきたわけです。一方で、公益性の高い社会福祉法人が運営する保育所についても長い歴史があります。 今、保育はサービスとして捉えられておりますけれども、保育を行う場所があれば、それは公立であっても民間であってもどちらでも構わないとする姿勢は、それは少し違うということを申し上げたいと思います。 公立と民間の違いは何か。一つは、労働環境や処遇の違いから民間保育士の平均勤続年数が短いこと、この違いが一番大きく、そこからキャリアと経験値の違いにもつながっております。また、民間では給食の外部委託化も進んでおります。これらの原因は何か。これは、民間の保育所運営に関わる公定価格という公費負担がございますけれども、このベースになっているのは、70年以上前につくられた最低基準をベースに算出されているからです。 例えば4・5歳児、これは30対1という配置基準で計算をされておりますけれども、1人担任ではなく2人担任にすれば、それはもう人件費が園の持ち出しになります。もっと手厚い保育をと考えても、最終的にはこの保育所運営費の制限があり、これまでも障害児、支援を要する子の受入れに関して、あるいは家庭支援が必要な保護者のケースに関して、民間では消極的にならざるを得ない面があり、公立が率先して行ってまいりました。 一人一人の子供と保護者に寄り添う丁寧な保育は、保育士の心がけ、あるいは自覚でできるものではありません。どのような保育条件を整えるかにかかっております。民間では対応できないケースの最終的な受皿として公立施設は必要であり、完全徹退はできないということを申し上げておきます。 また、保護者からも公立保育所を残してほしいという声が根強くありますし、公立と民間が両方存在するからこそ、共に保育の質を高めていけるのではないかと考えております。 そして、今後の幼保再編計画においては、地域の状況に即して、災害時のことも想定しながら、公立施設を拠点として残していくことが必要であるということを強く申し上げておきます。 公立保育所の保育条件についてもお答えいただきました。この保育条件の改善は、働く人だけではなく、子供たちへの保育の質にも関係することです。ぜひ、今後とも改善に向けた取組をお願いしたいと思います。 続いて、子どもセンター、特に児童相談所と一時保護所の運営状況についてです。 既に4月開設以来、多くの相談が寄せられていることに驚きました。また、一時保護所の利用に関しては、原籍校への通学を保障しているということをお聞きしまして、すばらしい取組がこの奈良市の一時保護所で始まっているということをお聞きいたしまして、大変心強く思っております。 基礎自治体が設置する児童相談所としての強みを生かし、各関係機関との連携、また子育てに行き詰まる前から支援サービスにつながることができる仕組みづくりなど、今後の運営に期待をいたします。 そして、職員の増員も検討しているというお答えをいただきましたが、開設後の業務量を踏まえ、適切な職員配置を行い、体制強化を図っていただくよう要望いたします。 続いて、いじめ防止対策についてです。 いじめの認知件数に関しては、しっかりといじめを認知している数であるということをお聞きいたしました。 このいじめ防止対策推進法がつくられて9年がたちます。しかし、いまだにいじめが後を絶たないし、傷つく子供たちが増えているのはどうしてだろうと思っております。旭川市の事件を見ましても、最近のSNSを使ったいじめは表面化しにくく、陰湿化しております。 私は、このいじめ防止対策について、現場の先生方がどのようにお考えか、話をお聞きいたしました。どの方からも、教員に余裕がないんだということが返ってきました。学校のクラスという集団の中で何が起こっているのか、児童・生徒の変化に最初に気づいてあげるべき教員の皆さんの超多忙な状況は、いじめ問題の対応の遅れにつながっていないか心配をしております。 児童・生徒一人一人をきちんと見られる体制が必要であり、教員の多忙という深刻な状況が解決されなければきめ細かな指導は望めないというふうに感じましたので、これへの解決にぜひ努力をしていただきたいと思っております。 また、このいじめ防止対策推進法は、学校や行政など大人の対応を主に規定しておりますけれども、子供自身がこの法律によって自分たちが守られていると感じるような取組、例えばこの法律をきちんと知っていくこと、こういったことも必要ではないかというふうに思っております。 今回のいじめ防止基本方針の見直しが子供の命と尊厳を守るためによりよいものとなるよう、要望をいたします。 最後に、県域水道一体化についてです。 本市の課題としては、企業団の水道料金と投資水準とのバランス、また、もう一つは下水道事業の取扱いが課題であると、2つ企業局長から示されました。そして、奈良市民にメリットが大きければ企業団に参加をし、逆にデメリットに比べてメリットが少なければ参加を見送るという姿勢が示されました。 私たちの会派のほうからは、エリアを分けて広域化を進めるという方向も提案をいたしましたが、先ほどの答弁の中では、まずは2月の協議会で示された方向について検証しており、その結論が先、新たな枠組みは協議会の総意として判断をしていくものだということが答弁の中にあり、それについては受け止めました。 そして、広域化に関しては、まだまだ議論が進んでいない課題があると思っております。例えば、職員派遣の詳細、災害時のバックアップ体制、企業団の運営費等々です。また、そもそも広域化が民営化の地ならしになるのではないかという市民からの懸念の声も寄せられております。これらの課題についても、早急に議論を進めていただきたいというのを意見、要望といたします。 最後に、市長にお尋ねをいたします。 報道によりますと、今後のスケジュールとして、協議会の中に部会が設置されるとのことでありますけれども、市長としてどのような方向性で、何を論点として取り組もうと考えているのか。 また、全体のスケジュールについては、午前中の御答弁の中で他市の首長の考えも伝えていただきましたが、本市においては県の示す令和7年度事業統合のスケジュールありきで進めるのではないことも表明されました。 今後は十分な議論を重ねること、市民への周知、理解が必要であると考えますが、このことに対する市長の所見をお伺いして、私の質問を終わります。 ○副議長(山本憲宥君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 水道の広域化についての御質問でございます。 先ほど企業局長が申し上げましたように、これまで論点となっているものの中で最も市民生活に直接的な影響があるものとしては、やはり料金の問題でございます。 この料金を構成する要素としては、やはり投資の規模が直結をいたしますので、これをどの程度にするかということについては、本市としてはやはり慎重に検討していきたいというふうに考えております。 また、先日の市長会でも様々な論点出しをいたしましたけれども、実際に1つの企業団として意思決定をし、また安定的に経営をしていくという上におきましては、例えば総務部門、今それぞれの市町村の職員として身分を持ち、給与を得ている職員が、統合することによって処遇の差をどのように調整をしていくかなどについては、まだ何の議論もされていないというような状況がございます。 また、本日も他の議員さんからも御質問がありましたように、実際にこの奈良県という単位でこなしていける投資の規模というのはどれぐらいであるのか、また、それを裏づけていくための技術的な格差というものはないのかどうかなど、本当にまだまだ詳細な検討が必要な論点がたくさんあるように感じております。 今の段階では、その論点に対して明快な答えを用意することが難しいもの、また、実際に広域化をしてみなければ分からないものも中にはあろうかと存じますが、今の段階からでもしっかりと検討できるものもあるかと思います。 そういった意味では、今後、実際に1つの企業団として経営をしていくということになりましたら、やはり毎年毎年しっかりと安定した経営を行っていく責任が発生いたしますので、10年後、20年後に将来の企業団の経営やかじ取りをしていく人たちが、今の私たちの議論の解像度が少し荒いということによって将来のかじ取りをする人たちが困るということではやはりいけませんので、そのあたりについては、様々な論点を参加市町がまず持ち寄って、その持ち寄った論点を一つ一つ丁寧に解決していこうということを先日の臨時の市長会でもそれぞれが持ち帰ったという状況でございます。 スケジュールについては、先ほども申し上げましたが、広域化の目の前の大きなメリットとしてはやはり国の財政措置というものがございますので、これを最大限活用するということを考えると、当初のスケジュールというものは一つ重要になってこようかと思います。 ただ、これは、令和7年のスタートということについては、やはり後ろに延ばせばその分、得られるメリットが薄くなるということがございますが、令和7年のスタートまでの工程をどのように詰めていくかということについては、いろいろな方策があろうかというふうに思っております。そのあたりのスケジュール感についても、この部会の中で議論をしていくべきであろうというふうに思っております。 限られた時間ではございますけれども、将来にわたって大変影響の大きいテーマでございますので、奈良市としては、まずは奈良市民の中長期の利益に必ずつながるものであるということと、それと、近隣の市町村と連携をして、県全体で全体最適を目指していくと、この2つをしっかりとバランスを取りながら、よき判断をしていきたいというふうに考えております。 ○副議長(山本憲宥君) 議事の都合により、暫時休憩いたします。   午後2時58分 休憩   午後3時30分 再開 ○議長(土田敏朗君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。----------------------------------- ○議長(土田敏朗君) 代表質問を続行いたします。 4番山岡君。   (4番 山岡稔季君 登壇) ◆4番(山岡稔季君) 日本維新の会、山岡稔季でございます。 会派を代表いたしまして、既に通告しております数点について、一括質問一括答弁にて市長に伺います。 質問内容で既に重複する点はあろうかと思いますが、お許し願います。 まず、市政の最重要課題であります新クリーンセンター建設について伺います。 市長は、昨年9月定例会での所信表明で、新クリーンセンター建設について、これからの時代は、それぞれの自治体がフルセットの施設やサービスを抱え込むのではなく、近隣の自治体とも連携を図りながら、広域で様々な行政、業務を行っていくことが持続可能な行政運営を考える上では大変重要であると考えを示され、七条地区を候補地として、クリーンセンターの広域での事業展開を目指すことを表明されました。 また、斑鳩町をはじめとした関係自治体とは緊密な連携を図り、クリーンセンター問題については現任期中に道筋をつけると決意も述べられました。 そして、令和4年度当初予算の新クリーンセンター建設事業について、国・県の方針で広域化を推進しているとして斑鳩町との広域化を検討され、当初予算では奈良県ごみ処理広域化推進補助金などを財源として、クリーンセンター建設事業予算を提案されました。 しかし、5月の市民環境委員会では、いまだ広域化の枠組みは確定しておらず、仮に奈良市単独となっても時間的猶予はなく、建設候補地としては七条地区で進めるといった答弁がありました。 我が会派では、市のクリーンセンター建設事業へのアプローチに対する考え方が一致せず、七条地区での予算執行について賛否が分かれたものの、住民合意の下、広域化で進めるということについては、意見は一致しております。 しかし、現時点では、大和郡山市については単独で施設整備を進めていく方針であり、広域化についても、いまだ斑鳩町とは勉強会レベルの調整です。斑鳩町は、あくまで様々な可能性の中から確定していくという方向性であり、広域化からの離脱も考えられる状況であります。 そこで、まず市長に、必ず広域化の枠組みを堅持し、七条地区での事業を推進されるのか伺います。 次に、県域水道一体化について伺います。 奈良市の水道事業は、大正11年、木津川を水源として供給を開始されて以来、100年にも及ぶ歴史があり、昭和39年からは水源を求めダム建設など、人口急増にも対応する計画給水人口を40万人として、中長期計画では、将来像を信頼の水道、未来へつなぐライフラインと掲げ、安心できる水道、頼りになる水道、喜ばれる水道、環境に配慮する水道などを基本方針に進めてこられました。 また、県域水道一体化については、令和3年度に奈良県広域水道企業団設立準備協議会が発足し、令和4年2月には第2回協議会で一体化後の水道料金の試算結果、一体化後の諸事項の方向性、今後のスケジュール案が示されました。 この県域水道一体化は、県全体の組織や施設の最適化を目指すことは理解いたしますが、本当に本市の単独経営と比べて水道料金の上昇を抑制し、施設更新を促進できるのか。広く市民の意見を聴き、判断することが求められます。 水道事業中長期計画では、布目・比奈知ダムの割賦負担金の償還で管路更新の延長や施設の延命化が図られ、また、現在では中長期計画の更新計画、投資計画の見直しをされていますが、人口減少による奈良市単独での水需要の予測、水道施設のダウンサイジングなど、将来世代への負担軽減も含めて、現在での将来予測について見通しをお示しください。 また、市の中長期計画の見直しができれば、県の作成した財政シミュレーションとの比較検討を行っていくべきではないかと考えますが、市長のお考えをお伺いいたします。 次に、外部監査制度について伺います。 地方公共団体の外部監査制度は、平成9年の地方自治法の改正により制度化されました。その背景としては、一般的な指揮監督権や補助金によるコントロール、数多くの多様な関与が国により、地方公共団体の事務処理を幅広く、かつチェックされてきました。 しかし、地方分権が進み、自治体における機能を十分に発揮する必要があり、さらに地方公共団体の情報公開、住民監査請求及び住民訴訟を通して大きな問題となった地方公共団体の不適正な予算執行や会計処理などがあり、国民の信頼を著しく損なうものとなり、自身の制度的なチェック機能の強化が必要とされました。 そして、平成9年2月の第25次地方制度調査会の監査制度の改革に関する答申が出され、これに基づき、同年6月に地方自治法の改正が行われ、従来の監査委員制度に加え、外部監査制度が創設されました。 創設された外部監査制度は、地方公共団体に属さない外部の専門家と個々に契約を締結し、監査を受けることによってその独立性を強化し、一定の資格を有する専門家と契約することによって、その専門性を強化することとされたものであります。 奈良市では、平成13年12月に中核市移行を見据え、平成9年の地方自治法の改正により、地方自治法第252条の36の規定において、都道府県、政令指定都市及び中核市は毎会計年度、当該会計年度に係る包括外部監査契約を締結しなければならないと定めており、奈良市は中核市移行に際し、平成13年12月定例会で奈良市外部監査契約に基づく監査に関する条例を制定し、平成14年度から外部監査を導入されました。 本年3月定例会にも、議案第36号として包括外部監査契約の締結についての議案が提出され、我々議会もその議案に同意させていただきました。また、3月29日には、外部監査人から議長宛て、令和3年度包括外部監査の結果に関する報告が提出されました。 そこで市長に伺いますが、これまで外部監査の結果を受けて改善された点や、監査機能の独立性、専門性をどのように評価し、また、その自浄能力をどのように強化されてきたのか、具体的な事例やその事務執行にどう生かされてきたのかをお答えください。 次に、本年3月定例会に議案第36号 包括外部監査契約の締結についてが提案され、賛成いたしましたが、毎年のテーマの決定方法や決定理由、1年間の外部監査の流れや工程についてお答えください。 次に、毎年、監査の結果と意見への対応については、どのように対応されているのかお答えください。 また、新年度予算では、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用され、デジタル化・非接触社会への対応として5億2000万円もの予算化をされ、行政事務のデジタル化・オンライン化を進めておられますが、先ほどの包括外部監査の総括的な意見に、情報化技術を用いた業務の高度化について、デジタル化の推進とシステム更新の対応について意見がございましたが、その対応について、市長に伺います。 次に、証明書手数料などのキャッシュレス決済について伺います。 私は、昨年12月定例会の一般質問において、コロナ禍での生活様式の変化において急速に普及しておりますキャッシュレス決済の現状について質問させていただきました。 我々日本維新の会の維新八策でも、クレジットカードや電子マネー、QRコード決済など、キャッシュレスによる方法での税、保険料、手数料の受付を拡大するため、受け取り体制の整備の促進を掲げております。 また、全国の自治体でも、各種証明書の発行手数料などの支払いにQRコード決済をはじめとするキャッシュレス決済を導入する動きが進んでおります。 キャッシュレス決済方法、種類といっても様々な種類があり、クレジットカードやデビットカード、QRやバーコード決済、交通系ICカードなどの電子マネーがあり、それぞれの特徴もあり、日常に普及してきております。 これまでの現金払いからキャッシュレス決済の普及により、市民にとっても支払いの選択肢が増えることで、現金を準備する手間がなくなり、手続にかかる会計時間の短縮や待ち時間が少なくなる、ポイントも還元されるなどのメリットがございます。 生活様式が変化する中で、非接触であるキャッシュレス決済の利用拡大は必要であると考え、本年2月の市民環境委員会でも副市長に市の考えをただしてまいりました。 そこで副市長は、キャッシュレス決済が利用できる店舗や自治体が急速に増えており、日常生活に浸透してきていることについては承知している、また、市民サービスの向上やウィズコロナに対応した新しい生活様式を実現するためにも、非接触での決済サービスは必要な取組であるとの考えを示されました。 さらに、今後はキャッシュレス決済サービスが導入可能である手続の選別、費用対効果の検証、さらには職員の事務負担の軽減効果などをあらゆる観点から検証し、キャッシュレス決済サービスの導入が拡大できるよう取り組み、市民サービスの向上につなげたいと答弁されております。 そこで、キャッシュレス決済のその後の進捗について、市長に伺います。 次に、3年後に開催される大阪・関西万博についてであります。 「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに、人類共通の課題解決に向け、先端技術など世界の英知を集め、新たなアイデアを創造、発信する場として、2025年4月13日から大阪・夢洲を会場に、想定来場者数は2820万人、経済波及効果は約2兆円として、6か月、184日間開催されます。 本市でも、令和4年度の当初予算の主要な施策として、新たな活力の創出、大阪・関西万博との連携の促進として400万円の予算が計上されております。 主要な施策の説明では、「本市の飛躍の契機となるため、他自治体や事業者との連携等を通じて、市内の観光・産業への波及効果を目指し、今後の取組方針を定める」とされております。 また、本年5月の市民環境委員会でも、本年オープンした月ヶ瀬ワーケーションルームONOONOについても、2025年大阪・関西万博での成果発表を目標に進めていくとの答弁がございました。 今後、大阪・関西万博の開催への本市の具体的な取組や、プログラム参画や開催成功に向けた機運の醸成について、市長に答弁を求めます。 次に、観光政策について伺います。 日本全国のみならず世界中からお越しいただける国際観光都市である本市は、観光産業によって雇用が生まれ、税収増加につながり、経済の好循環を生んでまいりましたが、長引くコロナ禍で奈良市の観光産業は本当に深刻で、大きな痛手を負っております。 ようやく政府が6月から1日当たりの入国者上限を約1万人から約2万人に引き上げ、10日からは団体客を対象に観光入国が認められることになりました。インバウンドが再び戻ってくるチャンスでございますが、海外からの誘客についてどのように進めていくのか、国の水際対策の緩和を受けて、今後の観光振興策について伺います。 さらに、2025年の大阪・関西万博は、奈良を訪れていただく好機であります。万博開催を観光振興に生かす考えについて、市長のお考えをお伺いいたします。 次に、企業誘致について伺います。 人口減少時代が到来し、今後、生産年齢人口の減少が避けられない中で、本市の雇用の創出や税収の増加を図るため、積極的な産業集積の形成及び活性化に向けた取組が不可欠で、積極的な企業誘致に取り組む必要がありますが、具体的な企業誘致の取組成果としては、令和4年4月にパーソルテンプスタッフ株式会社が奈良ジョブコーディネートセンターを開設されましたが、今回の誘致によって具体的にどれだけの雇用が創出されたのか伺います。 また、この企業誘致の取組など、今後の取組としてどのような展開を検討されているのか、併せてお伺いいたします。 次に、我々若者世代がこの奈良市で住み、暮らし続け、子供を産み育てることができるための環境整備について伺います。 私は3月定例会で、若者の視点で教育・子育て支援策について、また移住支援について、きめ細やかな子育てサービスや先進的な教育環境で、これからも選ばれるまちを目指すための教育環境について質問をしてまいりました。 また、20歳代を中心とした若者世代の定住を促進するため、本市に愛着を感じる市民の割合を増やす取組を促進する必要があると考えます。 そこで、20代、30代の若者世代の移住・定住を促すため、どのような情報発信を行っているのか伺います。特に、SNS等を活用してどのような発信を行っているのかお答えください。 最後に、子育て政策についてです。 我々若者世代の移住や定住が進めば、必然的に保育環境の整備が必須となってまいります。先ほど若者世代の移住・定住の促進に向けた情報発信についてお聞きしましたが、逆に、保育環境の充実が移住や定住につながる大きな要素であるとも考えます。 そこで、若者世代の移住を見据えた保育環境の整備や待機児童の解消政策について、市長の取組をお聞かせください。 以上で私の1問目を終わります。 ○議長(土田敏朗君) 市長。   (市長 仲川元庸君 登壇) ◎市長(仲川元庸君) ただいまの山岡議員からの御質問にお答え申し上げます。 新クリーンセンターの建設についての御質問でございますが、引き続き、国や県の大きな方向性でもございます広域化を目指して取組を進めていきたいというふうに考えております。 また、本市の現環境清美工場の老朽化の状況を鑑みますと、一刻も早い新クリーンセンターの建設が必要であるということについては明らかなことでもございます。 既に大和郡山市さんにつきましては単独での施設整備の方向性を示しておられますけれども、斑鳩町との間におきましては、環境影響評価の配慮書の作成に向けまして、様々な具体的な調整を進めさせていただいております。 今後も引き続き地域の皆様方の御理解をいただきながら、早期に事業を進めていけるよう努力をしていきたいというふうに考えております。 続きまして、水道事業の中長期の見通しについてということでありますが、本市におけます中長期の計画といたしましては、平成24年3月に策定をしたものがございます。 これにつきましては、平成22年度にこの区域内人口が約36万人でありましたものが、令和元年度には約35.6万人まで減少し、令和22年度には30万人を切る見込みとなっておりました。また、水需要の予測につきましては、平成22年度に4235万立米であったものが、令和元年度には3830万立米まで、また、令和22年度には約3109万立米まで減少する見込みとなっております。 管路のダウンサイジング、また施設の統廃合など、施設規模が過大とならないよう投資額を抑制し、将来世代の負担軽減に努めていく必要がございます。 具体的には、平成29年から令和3年までに向けまして、現在の水需要に応じた水理計算や配水区域などの検討を行い、あやめ池南二丁目、西大寺新池町、西大寺野神町一丁目等におきまして、昭和36年に布設をいたしました口径300ミリの配水管を、口径200ミリやまた口径150ミリの管にダウンサイジングするなどの取組を行っており、これらの効果が約1億5000万円出ているというふうに聞き及んでございます。 また、昭和47年度に竣工いたしました平城西配水池につきましても、耐震強度が不足をしていたため、平成30年から3か年で更新を行うなどの取組を行っております。 このほかにも中長期の見直しを行っておりますけれども、やはり最も大きなものは、人口減少にどのように立ち向かっていくかということであろうかと考えております。引き続き、これらの計画のPDCAサイクルを回しながら、将来の世代により負担の少ない持続可能な経営を引き継いでいくことが重要であると考えております。 また、県域水道一体化につきましては、本市の中長期計画ができれば県の財政シミュレーションとの比較を行えるんではないかということでございますが、本年2月17日の第2回協議会で、県が作成された統合財政シミュレーションと、県が作成した奈良市の単独財政シミュレーションとの比較によれば、奈良市にも料金メリットがあるというふうに表示をされているところでございます。 この奈良市の単独財政シミュレーションを県で作成するに際しては、市から提供いたしました有収水量、費用、投資額等の基礎データを基にされていると聞いております。また、統合財政シミュレーションについては、県と各市町村の有収水量、費用、投資額を合計した後に、統合による削減効果や国や県からの財源の削減効果を差し引いて計算されているということでございます。 県が作成した奈良市の料金効果については、単独経営を行う場合の給水収益から統合した場合の収益を差し引いて計算をされております。それによりますと、令和7年度から30年間で試算をすると、単独で経営をした場合に比べると給水収益の5%程度の効果が出ているという見込みでございます。 料金の水準については、投資の規模、それから起債の程度、また資金の期末残高などによりまして上がったり下がったりする仕組みとなっておりますが、料金効果が5%という極めて小さいものでございましたので、これらは様々な諸要素が変動しますと大きく変わる可能性もございますので、しっかりと検証を行っていくことが重要であると認識をいたしております。 今後、市が設置をしております懇談会の中で、有識者の方々などからも御意見をいただいて、本市が考える奈良市単独のシミュレーションと県のシミュレーションとの比較を行いながら意見を求めていきたいというふうに考えております。 今後も水道事業につきましては、やはり中長期で継続的に、持続的に安心できるインフラとして運営をしていくことが重要でございますので、県内の各市町村の様々なデータも含めて、今後の部会の中で議論を深めていきたいというふうに考えております。 次に、包括外部監査についての御指摘でございます。 包括外部監査人は、公認会計士としての知見に基づく高度な専門性を有するとともに、市には属さない外部の人材であるということから、高い独立性を有していると考えております。 したがいまして、その監査結果については、市の財政に関する事務の執行、また経営に係る事業の管理などについての貴重な報告であると考えております。 これまでの監査で指摘を受けた事項については、例えば連絡所の運営について、来所者数の実態を考慮して開所日数を見直すなどや、また、補助金の交付事業で、市民への説明責任の観点から証拠書類の添付を求めることなど、様々な改善を繰り返しております。 また、この監査の流れということでございますが、包括外部監査人が市の財務に関する事務の執行及び経営に係る事業の中から課題と思われるものを抽出されて決定されるということでございます。 例えば、昨年度のテーマであります債権管理に関する財務事務の執行ということについては、本市の市税の徴収率が取組強化により上昇しているということを受けまして、改善の余地をさらに検討するという視点で選定をされたと聞いております。 工程としては、毎年7月頃にテーマを決定し、12月頃までにヒアリングなどを行って、最終、年が明けてから報告書を作成されるという流れとなっております。 包括外部監査につきましては、仕組みとして、結果または意見として指摘のあった事項については、その後の措置状況について取りまとめをして公表するという仕組みになっております。 次に、監査の中でデジタル化の推進とシステム更新の課題についての指摘がございました。これらについてどのように対応するのかということでございますが、この監査の報告書の中では、債権管理について、いまだ紙台帳を用いているということについて御指摘をいただいております。システムの導入、また表計算ソフトなどの利用を進めるよう御意見をいただいておりますので、今後そのように対応していきたいというふうに考えております。 また、システムの移行の際に、債権管理に支障を来すケースが発生をしているという指摘もいただきました。この点については、やはり適正な事務の執行の観点からも問題があると考えており、今後、システムの移行の際には、そのようなことが生じないようしっかりと対応させていただきたいというふうに考えております。 今回のデジタル化、DXの取組についての御指摘はもちろんでありますけれども、この包括外部監査で指摘をされた事項のみならず、全庁的にデジタルツールの導入による業務の効率化、また最適化によるコストの削減、そして市民サービスの向上に努めていかなければならないのは言うまでもないと認識をいたしております。 引き続きまして、キャッシュレス決済についての御質問でございます。 キャッシュレス決済の導入に際しましては、利便性の向上はもちろん、コロナ禍における接触機会の削減、また職員の業務負担の軽減など様々なメリットがあると考えております。 本市といたしましても、全庁的にキャッシュレス決済をさらに導入するために、4月に市全体で部署、部局横断でキャッシュレス作業部会というものを設置して、今後の取組に向けたガイドラインを策定させていただいております。 次に、大阪・関西万博についての本市の取組ということでございます。 この関西万博については、来場者がおおむね2800万人見込まれるということで、本市といたしましても大きな発展の機会にしていきたいというふうに考えております。 これにつきましては、一般社団法人夢洲新産業・都市創造機構にも今般加盟をさせていただきまして、関西の他の自治体とも連携をしながら情報収集、情報交換に努め、本市の強みを生かして発揮をしていこうということを検討いたしております。また、こうした取組を支援する団体を登録するプログラムでありますTEAM EXPO 2025にも登録をさせていただいております。 このような取組をはじめとして、2025年に向けて様々な取組を官民連携して、機運醸成も含めて取り組んでいきたいと考えております。 また、本市が本年3月に設置をいたしました月ヶ瀬ワーケーションルームにつきましては、これからの未来のまちづくり、また新しい自治の姿の実証実験の場として、未来社会の実験の場として示していくという観点から、Local Coop事業の取組を進めております。 まだ始まったばかりでございますけれども、実際に万博というもの自体は、いわゆる施設の中で見たり体験をするということだけではなくて、関西という広いフィールドの中で、実際に社会実装されている姿を見ていただくということも含めて大きな意義があると考えており、本市としては、この月ヶ瀬地域における新しい自助、また共助の取組を一つの社会実証実験として世界に示していけるよう、取組を進めていきたいというふうに考えております。 続きまして、観光についての御質問でございます。 海外からの誘客についてということでありますが、コロナ禍以前の2019年には年間で1741万人の観光客が奈良市を訪れ、そのうち海外からのお客様は331万人と、おおむね1割を占めておりました。これが2020年には全体で724万人、外国人が28万人ということで、大きく減少いたしております。 一方で、6月10日からは国によります水際対策が緩和され、徐々にインバウンドも復活、復調してくるものと考えております。 今後も様々な機会を捉えて積極的に、本市を訪れる海外からのお客様の増大に向け、取組を進めていきたいというふうに考えております。 また、あわせて、大阪・関西万博をこの観光振興に生かすということも併せて重要だというふうに考えております。東京オリンピック・パラリンピックは1年遅れての開催となりましたが、2025年の社会情勢についてはまだ先行きが見えないところもございますけれども、しっかりと目標を定めて、世界からお越しになったお客様を奈良市も含めた関西全体でおもてなしができるよう、取組を進めていきたいというふうに考えております。 続きまして、企業誘致の取組についての御質問であります。 先日、市内に誘致をいたしましたパーソルテンプスタッフのジョブコーディネートセンターについて、どの程度の雇用が生まれたかということでありますが、企業誘致の取組につきましては、特に若者を中心に、市内の人材に対し、新たな働く場の選択肢となるべく雇用の場の創出に努めており、IT企業などをターゲットとしたサテライトオフィスの設置に係る補助事業を令和2年10月から設け、誘致活動を行っております。 本年の4月には、この制度の第2号の対象といたしまして、パーソルテンプスタッフ株式会社の奈良ジョブコーディネートセンターの立地が実現をしたところでございます。 この事業につきましては、当初70名の新規雇用を計画されておりましたけれども、他の地域と比べまして非常に優秀な人材にたくさん応募いただいたということから、当初の計画よりもオフィスを増床し、現在のところ100名規模まで雇用を拡大する見込みと聞いております。 これをさらに大きな取組へと発展していけるように、市としても引き続き、誘致をして終わりということではなくて、その後の企業との連携やフォローアップ体制についてもしっかりと対応していくことで、特に本市内で就労を希望する若者たち、また再就職を希望する子育て世代の女性なども潜在的なニーズとして位置づけ、雇用のマッチングに努めていきたいというふうに考えております。 また、企業誘致の今後の取組につきましては、やはり日本中の自治体で企業の誘致合戦を今繰り広げている状況にございます。そういった中で、本市の強みをしっかりと訴求し、取組のこの都市間競争の中で存在感を発揮していく必要があると考えております。 その中では、具体的な企業とのアポイントメント獲得に向けた取組として、市内の視察ツアーなどを今年度は実施していく予定をいたしております。この中では、具体的に企業側に対してオフィス立地の候補となる物件を御紹介させていただくことや、先日連携協定を締結いたしました奈良高専や奈良先端科学技術大学院大学などとの交流の機会などを設けることによって、特に産官学の共同研究などについても新たな可能性を感じていただけるよう工夫をして、企業誘致の営業活動を頑張っていきたいというふうに思っております。 続きまして、20代、30代の若者世代の移住・定住促進ということでございますけれども、特にこの地域の活力を維持する中では、20代、30代の若者たちの移住意欲が最も重要だということを認識いたしております。 特に移住情報サイトの開設、またオンライン移住相談の実施、お試し移住支援制度などを進めておりまして、そういった取組の結果として、先般、2022年版の「おすすめ移住・交流先13選」というところに本市を選んでいただいたということもございました。 また、SNSの活用ということでは、LINEやインスタグラム、フェイスブック、ツイッター、ユーチューブなど様々なメディアミックスによりまして、特に20代、30代が多く利用しているSNSをフル活用するという視点で取組を進めており、LINEについては今年の5月末段階でフォロワー数が約7万人ということとなっております。 また、移住に加えまして、奈良に住む若者世代の定住ということについても大きな課題であると考えております。若者たちが参加をしやすいアートや学びに関する情報の発信、また、奈良の魅力などをSNSを含めた様々なツールを使って発信するということが重要だと考えております。 また、若者たちが地域に目を向け、関わりを深めると同時に、自らが挑戦者となり得る機運を高めていくということで、若者世代が奈良に住むという選択をさらに後押ししていきたいというふうに考えております。 続きまして、保育環境の整備についてという御質問でございます。 本市におきましては、これまで待機児童解消を喫緊の課題として対応いたしてまいりました。新たな民間保育所の誘致や、特に待機の多い年代に絞りました小規模保育事業の設置などを優先的に対応してきたところでございます。 また、公立の幼保施設の統合再編や民間委託によってさらなる受皿の強化に努めてきたところであり、平成29年度と比較をいたしますと、おおむね1,000名程度の受皿の増強につなげてまいりました。結果といたしましては、本年の4月1日段階での待機児童数は8名まで減少いたしております。 一方で、これまで本市といたしましては、保育を必要とする就労基準につきましては、待機児童があるということも含めまして厳密な対応をさせていただいておりましたけれども、本年の10月からはさらに他市並みに基準を緩和する方針を既に出させていただいております。 こういった取組によって、また、定住・移住促進策を講じることなどによって、結果として待機児童が発生するという場面も今後さらに考えられますけれども、子育て世代の移住が進むということは、基本的には本市としては大変喜ばしいことであると考えておりますので、さらに保育ニーズが高まる場合には、当然それに対応できる受皿の整備も加速をさせていかなければならないと認識をいたしております。 以上でございます。 ○議長(土田敏朗君) 山岡君。 ◆4番(山岡稔季君) 2問目は発言席より意見、要望といたします。 まず、新クリーンセンター建設についてですが、引き続き斑鳩町とコスト面の協議をしていくとのことですが、いまだに広域化の枠組みが確定せず、候補地についても一刻も早い建設が必要とのことで進められようとされております。 当初予算では、環境面や財政面、さらにクリーンセンター建設を大きなまちづくりの核として進めると説明をされ、あくまでも広域化が前提で、予算説明調書にもありますように、財政面でも県のごみ処理広域化推進補助金を活用され、市民負担の軽減を図られることが前提であります。 また、今回の建設候補地についても、公害調停の調停条項第2条の「奈良市全域の中から300メートル以内に学校、幼稚園、保育園及び病院がなく」という条件に当てはまっていないこともございます。しかし、この条件については、新建設候補地の地域住民の合意があれば問題にしないといったことを聞き及んでおりますが、住民合意がどこまで進んでいるのか。このまま広域化が確定せず、強引に単独の施設建設に踏み切られるのであれば、3月の予算説明とは事業の進め方が180度変わることになりますので、市政運営が問われてまいります。住民合意の下、広域化で事業を進めていただきますよう意見させていただきます。 次に、県域水道一体化についてであります。 現在、中長期計画の見直しを行っておられるとのことですが、世代間の公平性を何をもって判断していくのか、広く市民の皆様との議論が必要かと思います。 市長は、県の奈良市単独財政シミュレーションを精緻なものにしていくと述べられておりましたが、統合財政シミュレーションと比較するための奈良市単独財政シミュレーションについては、奈良市から県にデータを送っているものの、県は受水費の値上げなどを修正して作成されております。これについても、精緻なものにしていく必要があると考えております。また、中長期計画を見直し前の財政シミュレーションではなく、見直し後の財政シミュレーションで比較していく必要があるとも考えております。 奈良市が今まで投資してきた水源やダムの割賦負担金の償還で、企業局として大変企業努力をされ、安易に料金値上げをすることなく、市民にとって欠かすことのできない水道事業を健全に経営されてまいりました。 この県域水道一体化の議論は、近い将来、奈良市がもし単独経営を選択したとしても、料金値上げを議論する時期が必ずやってきますので、10年先、20年先の将来負担の在り方などをよく検討していただき、奈良市民にとって最善の選択になるようよろしくお願いいたします。 次に、外部監査制度についてであります。 地方自治体の組織に属さない外部監査制度を導入することにより、監査機能の専門性、独立性の強化を図り、自治体の監査機能に対する住民の信頼を高めるため制度化されました。また、外部監査人はみなし公務員と規定され、守秘義務を課されております。 答弁にもございましたが、公認会計士としての知見に基づく高度な専門性を有するとともに、高い独立性を有しており、その監査結果については市の財務事務の適正な執行に係る貴重な提言と認識され、監査結果での指摘で補助金の交付事業に関する収支の確認に係る証拠書類の確認など、市の事務執行の改善を図られておられます。 今後も、外部監査からの指摘を受けられた項目については早急に取り組まれるようよろしくお願いいたします。 次に、キャッシュレス決済についてです。 キャッシュレス決済については、全庁的に取り上げていただき、キャッシュレス作業部会を設置し、部局横断的な検討体制を整え、ガイドラインの作成などを進めておられるところまで進んできたのかなと思います。 市民の利便性や費用対効果を検証し、将来のデジタル化--将来といってももうすぐに、今もなっております--このデジタル化をしっかりと見据えて進めていただきたいと。着実に進展しているかなということで評価させていただきます。 大阪・関西万博についての取組や機運の醸成についてですが、万博を契機に国内外に情報発信していき、奈良市への関心を高めて交流人口、ひいては定住人口の増加にも結びつけていただけるかと思い、今後より一層の機運の高まりを期待いたします。 ONOONOなどの成果発表など、力を様々入れていっていただけるとのことですが、万博のプログラム参画については、もっと積極的に、スピード感を持って関わりを進めていくべきかなと思っております。 大阪では、府や市の職員が万博の計画に駆け回っております。奈良市の職員も、しっかりと中に入り込んで情報収集に参加されているのでしょうか。少し受動的なイメージも感じてしまうところでございます。早期に具体的な企画の情報収集を行った上で、ある程度テーマに合わせた取組を能動的につくっていくべきであるかなと考えております。 例えばですが、構想されている空飛ぶ車、空飛ぶタクシーは、8路線程度の想定運行路線が候補に挙がっておりまして、その中の一つとしては京都や伊勢志摩など観光地とされております。この路線に何とか奈良市を付け加えていただくよう提案できないものかと思料いたします。 例えば、関西3つの空港から大阪までたった15分で飛ばすと言われておりますが、今課題となっているのはこの機体の離着陸の拠点づくり、これが今課題となっているかと思いますが、この離着陸拠点が安易と考えられる奈良であれば、広大な平城宮跡に着陸をしてもおもしろいんじゃないかなと思います。奈良まで空飛ぶ車を飛ばしてもらえれば、奈良の歴史文化のPRにもつながってくるかなと思います。 今、世界中の人々はSNSから情報をキャッチすることができ、主にテレビなどのマスメディアからの情報しかない時代ではなくなりました。今まで知らなかった世界を知れるようになってきました。海外の方からすると、この奈良は非常に魅力あふれる地でありまして、世界中の人々が奈良をSNSを通じて発見してきております。 一部のイベントを奈良で開催できるようにしていくことや、万博のテーマと一致していないことであっても、奈良で興味深いイベントをやっているのであれば、せっかく大阪まで来たし、奈良も寄っていこうと思ってもらえるような構想をどんどん考えていただければなと思います。 すぐ隣の大阪での開催です。大阪・関西万博という名前もついているぐらいです。この名前は、1970年の大阪万博と区別できるようにという意味もありますが、関西全体をアピールしていくというコンセプトもあろうかと思います。 大阪の発展は、大阪だけのものではないと僕は思っています。奈良市民、ひいては奈良県民の多くの方が毎日大阪まで通勤して懸命に働かれ、寄与されております。大阪の発展の恩恵をこの奈良がもっと受けるべきではないでしょうか。 日中は大阪の夢洲へ、そして夜は奈良へお越しいただき奈良で1泊するといった、今までとは違う流れをつくれるかもしれません。関西一体となって、未来にわくわくするような機運の醸成を皆様は期待しているはずですので、奈良市からの積極的なアプローチ、取組をぜひよろしくお願いいたします。 次に、国の水際対策の緩和を受けて、今後の観光振興策についてですが、インバウンドの需要の回復にやはり期待をしていくというところになってくるかと思いますし、友好・姉妹都市の交流など交流人口を増加し、誘客を促進していくとのことでございますが、今まで様々な取組をされているかと思うんですが、しっかりとその効果を検証していただき、そして改善し、それを基にインバウンドの誘客にもつなげていただきますよう、より一層の庁内連携の強化と、さらに若い職員の声もしっかりとすくい上げていただきますようお願いいたします。 次に、企業誘致についてでございます。 奈良ジョブコーディネートセンターの立地が実現し、今後100名規模まで雇用を拡大する計画が発表され、市内での就労を希望する若い人材に加え、幅広い子育て世代の女性などの潜在ニーズを掘り起こされたこと、また、今後は事業拡大を目指すIT企業に対し、これまでの実績に加え、民間事業者のノウハウを活用することにより取組を強化されていると。こちらに関してはかなり力も入っており、今後ますます就労を希望する若い世代の定住促進にも大いに期待いたしております。 最後に、若者世代の定住促進と子育て政策についてでございます。 若者の移住支援については様々な取組をしていただきまして、ありがとうございます。 また、定住促進PRについてですが、奈良市公式LINEアカウントのフォロワーは約7万人いるということで、そこそこの人数がいるかなと思っております。 ただ、現在、主な配信内容を見ていると、毎月1回、市民だよりを発行しましたといったお知らせがLINEで流れてくるので、もう少しバリエーションが欲しいかなと思っております。 例えば、移住情報サイトということで先ほど挙げられておりましたが、こちら、「ならりずむ。」というポータルサイトがあると思うんですけれども、この「ならりずむ。」は奈良での仕事や住まい、子育てに関する情報を一元的に発信するなど、うまくまとめられております。しかし、せっかくいい情報サイトでも、知られないと意味がありません。 移住だけではなく定住という観点でも、本市の制度の充実を知ることで本市に愛着を持つことにもつながるかと思いますので、今後様々な情報発信を期待しております。 また、近年では女性の社会進出によって、この奈良でも共働き世帯が増加しております。そのため、保育施設への入りやすさが若者の定住を促進するための大きな要因の一つになると考えております。 このことは先ほども違う議員への答弁のときに挙げられておりましたが、データで読む地域再生における「共働き子育てしやすい街ランキング」において、認可外や病児保育を含めた保育施設の入りやすさが影響し、奈良市は関西では第2位と高評価になったことからも読み取ることができますが、国の試算では、保育所の利用児童数は2025年にピークを迎える見込みで、今後、保育ニーズの増加が予想されております。 保育所に預けられないと、どうしても週何日かのパートしかできないということにもなってしまいます。現役世代が働きやすいように整備することで雇用が生まれ、非課税だった世帯が課税対象になり、市民税の税収増加にもつながってきます。 第5次総合計画において、2026年度に待機児童ゼロを目標に掲げておりますが、先ほど市長からも、民間移管などによって受皿の確保に努めるとのお答えがありました。公立から民間になるということで、様々な思いを抱かれる保護者や地域の方もいらっしゃるかと思いますが、子供の利益を最優先に考え、そして保育の質もしっかりと高めていくことによって奈良市の人口減少を食い止める必要があります。 若者世代、現役世代は行政サービスをシビアに評価しておりますので、一日も早い待機児童の解消に向けた環境整備を推進していただきますよう要望させていただきます。 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(土田敏朗君) 以上で代表質問は終わりました。 お諮りいたします。 本日の会議はこの程度で打ち切り、6日午前10時より本会議を再開して、質疑並びに一般質問を行いたいと思いますが、そのようにいたしまして御異議ございませんか。   (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(土田敏朗君) 異議なしと認めます。 よって、そのように決定いたします。 本日はこれで散会いたします。   午後4時20分 散会----------------------------------- 地方自治法第123条第2項の規定によりここに署名する。             奈良市議会議長   土田敏朗             奈良市議会副議長  山本憲宥             奈良市議会議員   岡本誠至             奈良市議会議員   阪本美知子             奈良市議会議員   井上昌弘...